このはな生協クリニックは開設21年目を迎えます。宮崎市内の南部「鬼の洗濯岩」で有名な青島・木花地域に位置し、サーフィンの国際大会が行われ る浜も車で数分の所にあります。また、すぐそばには総合運動公園があり、プロ野球の試合や陸上選手のトップアスリートの颯爽と走る姿を見ることができ、本 当に自然に恵まれた心癒される地域に建っています。

4世代での受診も珍しくない

　開設してまもなく、近隣に入院施設のある病院や地元に関わりの深いクリニックが開設。患者減が続き経営を直撃しました。さらに、相次ぐ医療改悪もあり、 ますます厳しい状況になっていきましたが、昨年はどうにか黒字を計上することができました。この４年間医師の異動がないことや、できることを地道に行おう と職員会議等で確認し、新患フォロー、気になる患者訪問、慢性疾患患者への対応、地域での健康チェックなどをきちんと行ってきた結果だと思っています。
　高齢の方が多い地域ですが、新興住宅地が近くにあるため外来は小児も意外に多いのが特徴です。家族そろって受診している家庭も多く４世代での受診も珍し くありません。定期往診も行っており、在宅支援診療所の届け出をしているので、24時間体制で在宅患者の対応を行っています。医師や看護師に対しての信頼 関係も厚く、安心して在宅での生活が送れるよう、できる限りの支援を行っていきたいと思っています。

デイサービスも開設して

　2006年には医療から介護まで、総合的に患者が安心してかかれるようにと、介護事業所「デイサービスこのはな」を開設しました。小規模事業所なので利 用者の一人ひとりの個性を大事に、「今日は楽しい１日を過ごせたよ」と思ってくださるよう目配り、気配りに留意し、スタッフが誠心誠意対応しています。囲 碁のボランティアの参加もあり、デイサービスに来て囲碁をするのを楽しみにしている利用者もいます。
　デイサービスの部屋から元気な笑い声と運動のかけ声がクリニック待合室に聞こえてくると「隣はなにしてると～？」と、見に行く人もいるほどです。

「山椒」のようなクリニックをめざして

　なにはともあれ地域になくてはならない医療機関、介護事業所をめざして、「なんでも相談」の看板をかかげて毎日活動を行っています。予防接種の接種時期 の相談から、介護保険の相談まで種々様々。地域に根ざしたクリニックとしてはうれしい限りです。まだまだ職員の学習不足でうまく解決できないこともありま すが、みんなで知恵を出し合い糸口を見つけていきたいと思っています。そうした努力もまたクリニックの魅力です。デイサービスを合わせて総勢9人の小人数 ですが、「山椒」のように小粒でもピリリとスパイスの効いたクリニックをめざしてこれからも頑張っていきます。
（このはな生協クリニック　事務長　長友 則子）

「民医連院所のある風景」　『民医連医療』2008年8月号.No.432より