山口/生協下関歯科 みんなのためのみんなの歯科診療所に
11年の運動が実を結び…
2008年5月7日、山口県下関市に医療生協の歯科診療所が誕生しました。名称は「生協下関診療所」です。「名称」募集を行ってみんなで決めました。私たちの歯科建設運動は11年の歳月を要しましたが、支部組合員の粘り強い運動の末、ようやく実を結ぶことができました。
様ざまな取り組みで共感を広げて
1997年に「下関に民主的な診療所をつくる会」を発足し、翌年1998年に医療生協健文会下関支部を結成しました。当初は、医科診療所建設をめざし、 下関地域の民主団体や組合員の力を借りて、健康相談会(講演会)や健康チェックに取り組みながら組合員増やしをすすめましたが、医師確保が非常に難しい状 況の中で、近い将来の医科診療所を展望しながら、早期に拠点となる事業所を持とうということで、2002年には歯科診療所建設の方向に一気にすすみまし た。
しかし、歯科建設運動も決して平坦な道のりではありませんでした(医科への期待が大きかった)。医科から歯科への変更ということで、支部組合員の理解を 深めるのにも一定の時間を要しました。当時、「歯科はたくさんある」「歯科は経営的にも厳しい」「診療所ができるまでの期間が長い」「死ぬまでにできるん か」の声がありましたが、民医連歯科の理念や取り組みを学びながら班会や歯科健診など様ざまな集まりに参加する中で、歯科建設への共感を広げていきまし た。
展望を確信に変えながら
2005年2月には、新たに専任の事務職員を配置し、組織体制の立て直しをすすめ、歯科建設が現実のものとして動き始めました。将来の体制も見据えて建 設予定地を決定し、土地の購入を行いました。
みんなのためのみんなの歯科診療所をめざし、ワークショップを開催し、どんな歯科を作りたいかを話し合いました。また100人の委員をめざして歯科建設 委員会を発足させ、定例の委員会開催をすすめ、歯科診療所開設まで2000人の組合員と5000万円の出資金を集めることを目標にしました(結果、 2007年336人・約2860万円。これまでの累計1391人・約4200万円)。
夕方の訪問行動や毎週日曜日の統一訪問行動の取り組みは、「つながり訪問」「組合員訪問」「地域訪問」の3つの訪問行動を重点に活動をすすめてきまし た。行動の後の報告会を大切にして、参加者の感想や行動を報告しあい、お互いを励ましあいながら、展望を確信に変えて頑張ってきました。
安心してかかれる歯科をめざして
開院後は、「安心してかかれる歯科がほしかった」「今までこんな丁寧に説明してくれた歯科はなかった」「生協の歯科ができて本当にうれしく思っている」など期待の声を寄せてもらっています。
組合員や地域の皆さんの期待に応えられるよう、「安心してかかれる歯科」をめざし、患者の立場にたった歯科医療をすすめていきます。
(生協下関歯科 事務長 山村 義晴)
「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2008年7月号.No.431より