移住したくなった本
島根・松江保健生協
合同出版発行の『なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか、どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』を読みました。著者のケンジ・ステファン・スズキさんは一九四四年、岩手県生まれ、デンマークに移り住んで四一年。
六歳のお孫さんは生まれつき心臓病。生後一カ月で大手術を受け、専門治療にイギリスで入院したこともありますが、億単位の治療費の自己負担はゼロ。子ど もの入院に仕事を休んで付き添う親の、宿泊・食事は無料、しかも給与は国庫から出ます。
医療費・教育費の無料制度を支えるために国民は高い税金を納めます。国民と国家の信頼関係、公平に再分配されることが前提です。
北欧から日本を見ると、すべてが狂っているようです。大学に入学することが目標になっている、エネルギーや食糧自給率も低い、役人の汚職はデンマークでは考えられない、と。
日本の現状を変えるための提案もあります。すべて納得はできませんが、日本の外にいるからこそ見えてくること、行政に携わる人にぜひ目を通してほしい。
(加茂京子通信員)
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いつでも元気6月号No.200より
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