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ニュース・プレスリリース

Dr.小池の国会奮戦記 9条の先駆的価値を大いに語って 「現行憲法に風穴」の狙いはあきらかだ

 自民党が、「立党50年記念党大会」をひらき、「新憲法草案」を正式に発表しました。現行憲法を全面的に書きかえた、まったく別の憲法です。

9条全体を完全に無力化

 まず「前文」では、その深い内容をすべてなくしました。侵略戦争への反省、二度と戦争をしない決意、平和のうちに生きる権利の確認など、全面削除したのです。そして9条では、「戦力保持の禁止」「交戦権の否認」を規定した2項をなくし、「自衛軍の保持」を明記しました。
 政府はいままで、「憲法9条2項があるから、武力行使を目的とした海外派兵、集団的自衛権の行使、武力行使をともなう国連軍への参加はできない」と説明 してきました。「新憲法」は、この歯止めを取り払い、1項も含めて9条全体を完全に無力化しようというものです。
 先日のテレビ朝日系列「サンデープロジェクト」で、私が石破前防衛庁長官に「この新憲法になればイラクでの武力行使ができるのか」とただしたのに対し て、石破氏は「その可能性を否定しない」と答えました。まさにアメリカの先制攻撃戦争に、「集団的自衛権の行使」として参戦できる構造の「新憲法」なので す。

改憲しやすくしておけば

 憲法改定規定である第96条の改憲発議要件を、再改憲しやすいよう、各院の議員3分の2から2分の1に引下げていることも重大です。
 今回の「新憲法草案」とりまとめの中心になった自民党の舛添要一参院議員は「9条2項と96条の改正を実現すれば、風穴を開けることができる」と述べま した。日本経団連も同じことを表明しています。
 「今回は最低限にとどめて、公明、民主も抱き込んでおこう。改憲しやすくしておけば、後からいくらでも思い通りに変えられる」ということでしょう。彼らの狙いは明白です。
 NHKの「日曜討論」で、桝添氏は「眼目は9条」と明言しました。自衛隊の海外派兵を「個別の法律を積み上げて、無理に無理を重ねるのはもう限界だ」と 述べ、「歯止め」は別に法律をつくるというのです。
 しかし、さんざん解釈改憲をしてきた人が新しい歯止めといっても、まったく説得力はありません。

9条改悪反対が6割こす

 11月17日の日米首脳会談では日米の一体化をいっそう強調。小泉首相は基地の負担は「平和と安全」のた めの当然の「代価」だとし、基地強化の計画を自治体に押しつけると表明したのです。これには沖縄、神奈川、山口など関連する57自治体すべてが反対。危険 な動きを許さない怒りの声がわき起こっています。
 最近の世論調査では9条改悪反対が6割をこえ、賛成は3割でした。ここには、総選挙後、暴走する小泉政権にたいする国民の不安、アジアと世界の日本政府 への批判に加え、「九条の会」はじめ国民の運動の反映があることは間違いありません。
 新しい年、日本国憲法、とりわけ第9条の先駆的価値を大いに語り広げ、多数派の結集をめざしましょう。

いつでも元気 2006.1 No.171