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ニュース・プレスリリース

東京/扇橋診療所 無産者診療所の精神を受け継ぎ地域に根ざした医療活動

扇橋診療所の歴史

 戦前に無産者診療所が建設されたことがある江東の地に、労働者、住民らの協力によって、自らの運営で診療所を作る運動が進められた1951年8月、多く の人たちの協力で江東診療所(無床)が建設されました。1957年には医療法人(財団)愛生会と法人化し、その2つめの診療所として、深川地域役員の強い 希望で1959年に扇橋診療所が開設されました。
今日の扇橋診療所は、関東大震災の住宅復興事業のために創設された「同潤会(内務省の外郭団体)」アパートが築75年以上を経て「白河・三好再開発事業」 で建て替えられ、地域住民の強い要望を受けて、旧診療所のあった江東区白河4丁目から約300メートル離れた三好4丁目・12階建てマンションの1階に移 転しました。法人も、医療法人財団 南葛勤医協として出発しました。

深川八幡祭り

 「鬼平犯科帳」の舞台としても有名な深川地域で、8月14日に行われた富岡八幡宮の「深川八幡祭り」。徳川家光の長男(後の家綱)の世継ぎ祝賀を記念し て、寛永19(1642)年から始まった「祭礼」は今年が3年に1度の「例大祭」で54基の勇壮な神輿が町中を練り歩き、町中が祭り一色となりました。早 朝から各町会からの神輿が勢揃いし、1基ごとに富岡八幡宮でお祓いを受け、約8キロを連合渡御(とぎょ)。木遣り・手古舞を先頭に、まといを振る名人には 大拍手がおこります。
 扇橋診療所前を神輿が渡御するので友の会にも呼びかけ、診療所前にいすを並べ、お休みどころとして提供。また、大量の水も準備しました。「水かけ祭り」 ともいわれるのは、沿道の家々でバケツやたらいに水をはって神輿を待ち受け、担ぎ手に向かって水をかけて勢いをつけるからです。交代要員を入れ2万 5000人の神輿の担ぎ手が町を練り歩く姿は「勇壮」そのもの。伝統の力強い掛け声「ワッショイ、ワッショイ」が町中を響きわたり、町中が、老いも若きも 夢中になる1日。格別祭り好きでもない人も、楽しくて一緒になって張り切って水をかけてしまう、そんなお祭りです。この日ばかりは水をかけてもかけられて も楽しんでしまう日です。約8キロの沿道の見物人は約30万人。

今後の医療活動

 扇橋診療所の1日外来患者は、現在、平均60人前後、在宅患者さんも60人前後です。スタッフは西村洋所長をはじめパート医師8人、看護師5人、事務3 人。小診療所ながら「胃内視鏡」「心エコー・腹部エコー」「骨密度測定」「胃レントゲン」等の重装備診療所として、また「循環器科」「皮膚科」「泌尿器 科」「糖尿病外来」「整形痛み外来」を担当する専門医、管理栄養士による「食事栄養指導」など医療活動を行ってきました。
今後も、充実した専門外来・医療機器を生かし、訪問診療にも積極的に取り組み、経営を守らなければなりません。
 9月から江東区の自治体健診「老人健康診査」が始まりました。目標として700人以上の健診を実施し、「10月からの『大腸がん検診』・11月からの 『基本健康診査』」へと続く自治体健診をスタッフ全員で取り組み、一人でも多くの区民の方に「自治体の諸健診」を受けていただくようすすめています。
 高齢化率の高い、江東区深川南部地域での「民主診療所建設」の要望も強く出され、建設運動の第一歩として「友の会員の拡大」に精力的に踏み出したところです。
 気軽に受診できる「外来診療」「健康診断」、相談を受ければ断らない「訪問診療」「ケアプラン作成」をモットーに、スタッフ全員で地域の皆さんに信頼さ れる診療所・訪問看護ステーションとして、この地に根ざした医療活動の再出発です。
(扇橋診療所 事務長 小栗 多美子)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2005年10月号.No.398より