九条守れの心ひとつに
「九条の会」が講演会
七月三〇日、東京・有明コロシアムで「九条の会・有明講演会」が開かれました。昨年六月に会が結成されておよそ一年。全国から九五〇〇人が集まりました。地域や分野別の「九条の会」が全国で三〇〇〇を超えたことが報告され、会場からどっと拍手がわきました。
当日は「九条の会」呼びかけ人九人のうち六人が登壇。九条にかける思いをこめ、参加者に語りかけました。
三木元首相の妻・三木睦子さんは、子どもを抱えて空襲の中を逃げまどった日々を振り返りました。「私たちが(戦争を)したんじゃないからと言い捨てない で。先祖の戦争の償いをするためにも、日本は軍隊をもたない、静かな平和な国になっています、と言い続けてほしいのです」と訴えました。
劇作家の井上ひさしさんは、侵略戦争で日本も打撃を受け、昭和二〇年の日本人の平均寿命は男性で二三・七歳、女性で三二・三歳だったことを指摘。一方で 「『あの時代こそ正しい』『これこそ日本だ』という人がいらっしゃる」と侵略戦争を正当化する人々を批判しました。また、人口三万人以上の市(一一八三 市)の市長でつくる全米市長会議では、六八パーセントの市長が、「アメリカも核兵器を持つべきではない」とアンケートに答えていることを紹介。平和を求め る流れが世界に広がっていることを話しました。
作家の大江健三郎さん、小田実さん、哲学者の鶴見俊輔さん、憲法研究家の奥平康弘さんも登壇。北海道での講演のために会場にかけつけられなかった作家の 澤地久枝さんも、ビデオメッセージで登場、「『九条の澤地さん』といわれるけど、みんなが『九条の日本人』になったらいいのでは」と話しました。
講演会では、「会」を地域や職場・学校などにつくることや学習会の開催、署名・ポスター・ワッペン・マスコミへのハガキなど九条改悪に反対する意見表示 をして世論を広げることなどの行動提起を確認。日本国憲法第九条を全員で唱和し、九条を守る決意をかためあいました。
(多田重正記者)
各地のとりくみをお寄せください。編集の都合上短くする場合がありますが、三〇〇字で、写真もつけてください。毎月の締め切りは七日ごろです。
いつでも元気10月号No.168より