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ニュース・プレスリリース

大阪/コープおおさか病院 手遅れの患者を出さないために 医療と保健予防活動の連携強化

若い世代が多い地域への移転・新築

 生活協同組合ヘルスコープおおさかは、府下一円を定款地域に、8行政区に事業所を展開する4つの医療生協が合併して2000年4月に誕生し、新病院の建 設を共通の旗印・目標としてきました。2002年12月、「コープおおさか病院」は、大阪市中央区で50余年にわたる医療活動を展開してきた「うえに病 院」を鶴見区に移転・新築して開設されました。
 コープおおさか病院は、地理的には鶴見区と隣接する城東区と2つの学区の真ん中に位置した場所にあります。この2つの行政区の人口は25万人を上回りま す。しかし半径1キロ圏内には400床の総合病院が1つあるだけで、166床のコープおおさか病院はその病院に次ぐ規模であり、人口11万人の鶴見区の中 でいえば最大の病院となります。オープンまでに3回にわたる地区医師会との懇談会、病院の移転・新築を知らせて、医療生協組合員に加入していただく地域訪 問を2年間で延べ3万世帯以上に行うなど、地域の中で果たすべき役割についての認識を深めながら、様ざまな協議と実践を行ってきました。
 1990年に「国際花と緑の博覧会」が開催されたのを機に、鶴見区には地下鉄をはじめとした交通網が整備され、大阪市の東北部、門真市、守口市、大東 市、東大阪市に接した地域ながら梅田や難波などに30分という利便性もあって人口が急増している地域です。65歳以上の高齢者人口は13.8%と市内最低 水準で、マンションが急増し、65歳以上の高齢者よりも15歳未満の世代の方が多いという特徴を持っています。

保健予防活動と医療活動をつないで

 こうした地域の中にあって、地域住民の医療要求に応えるという視点から、オープン時に小児科と眼科を新設し、その他の主要診察科を、内科、外科、泌尿器科、歯科としました。
 内科は、心臓の病気で亡くなる人と手遅れのガン患者は出さないことを基本に、循環器と消化器内科を大きな柱に据え、外科は、大腸・肛門を主要な分野とし てきました。そして、医療活動を保健予防との連携の中で発展させる取り組みを進めました。それが1万人の大腸ガン健診となり、4,000人の前立腺ガン健 診となってきています。
 また、この病院を拠点として9つの内科診療所とグループホームを含め18の介護サービス事業(ケアプランや通所リハを除く)が展開され、地域の中で医療と介護のネットワークをつくりあげてきました。
 そして2004年5月には病院機能評価を受審し、8月に認定を受けることができました。

地域、組合員とともに新たな展望つくり出す取り組みを

 コープおおさか病院が開設されてから2年が過ぎ、この病院が地域の中で果たすべき役割、どのような病院づくりをすすめるのかが改めて問われています。そ の基本的な方向が、保健、医療、介護のネットワークの中軸となる役割を果たすこと、大腸ガン健診や前立腺ガン健診のこれまでの成果を基礎に、健康で住み続 けられる地域づくりの中での新たな展開をもっと旺盛に進めることにあることは間違いありません。地域にこそ、組合員の中にこそ前進の芽があることを確信し て、今後の展開を切り開こうとしています。
コープおおさか病院 事務長 今江 清満)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2005年4月号.No.392より