Dr.小池の国会奮戦記 多国籍軍「参加」のでたらめぶり
日本を「戦争する国」にしてはならない
イラク暫定当局(CPA)の世論調査で、連合軍は「解放者だ」と答えたイラク国民はたった2%、「占領者だ」が92%。「連合軍が即時撤退した方がイラ クは安全になる」55%、「連合軍の駐留がなくともイラク警察と軍で治安は維持できる」87%。イラク国民の意志は明白です。
主権移譲とはいうものの、依然として米軍が主導権を握ったままの占領軍がいる限り、イラクにテロを呼び込み、治安回復はありえません。
残虐行為の共犯者に
4月に米軍が7百人もの住民を無差別虐殺したファルージャでは、対テロ対策を理由に、6月19日以降、米軍はふたたび激しい攻撃を開始。7月以降も「同じことをやる」とパウエル国務長官は言明しています。
多国籍軍というのは、こういう無法な軍事行動をしている部隊です。この軍隊に「参加」するということは、自衛隊がこうした残虐行為の共犯者になるということです。
しかしその意味を、小泉首相はまったくわかっていない。もしくはわからないふりをして国民を欺いている。政権末期症状としかいいようがありません。
ブッシュの顔を見たとたん
政府はこれまで「武力行使をともなう多国籍軍に、自衛隊が参加することは憲法上許されない」と一貫して いってきました。実際、何度も多国籍軍のケースがありましたが、1回も参加していない。参加するなら、国民に納得のいく説明をする必要がありますが、まっ たくしていません。
日米首脳会議直前の国会審議でも日本共産党議員の追及に小泉首相は「武力行使を目的とする多国籍軍に、日本は、自衛隊であれどのような組織であれ、参加 することはしない」といいきっていたのです。それがブッシュ大統領の顔を見たとたん、「参加します」と約束してしまう。まったく何ということか。
いい訳は「自衛隊はこれまでやってきたことと同じことをするんだから問題はない」。しかしこれまでは、自衛隊は連合軍の一員ではなく、独自に活動するというのが、政府の言い分でした。
口約束のごまかしでは
今度は多国籍軍への「参加」です。これを追及されると「日本が自衛隊を指揮するから、武力行使と一体にならない」と弁明。その「担保」として、米英両政府との「了解」をあげました。しかしこの「了解」も公使レベルの口約束で、相手の名前もわからないという代物でした。
多国籍軍のホームページを見てください。参加各国の国旗が、カラーできれいに並び、そのなかに日の丸もちゃんと載っています。米政府の指揮権についての 態度ははっきりしていて、多国籍軍は「米軍の指揮下」にあると明言しています。
国連中心に、イラク国民自身による国づくりを支援していこうというのがいまの世界の流れです。憲法9条をもつ国としては、いまこそ率先して自衛隊を引き あげ、米国にも「戦闘やめよ」と呼びかけるべきときです。日本を「戦争ができる国」にさせるわけにはいきません。
いつでも元気 2004.8 No.154