ホームレスの実態にふれて
京都・上京健康友の会
五月一日のメーデーの午後の行動の企画は、例年病院事務長、労組、友の会の三者会議で検討し、学習会や地域行動、署名活動など行なってきました。
ことしは(1)京都御苑ウォッチング、(2)ホームレス健康チェック、(3)遺跡の探索と、三カ所に別れての行動となりました。友の会は、ホームレス健 康チェックに参加。はじめてのとりくみで、不安を抱えながらの訪問でした。
若葉の美しい京都鴨川ぞいで、一一人と対話、聞き取り調査、アンケート、血圧測定など行ないました。受け入れてもらえるか心配でしたが、心よく受け入れ てもらえました。想像以上に前向きな生活にはびっくりさせられました。
年齢は三八~七二歳でした。四〇代~六〇代の方が多いようです。健康・食・住についてたずねると、六〇歳の方が三日前から腰痛で困っているというので、 シップを貼ってあげました。他の人たちは元気で血圧も安定していました。「今は悪いところがないが病気になったときは心配」「一度救急車を呼んだ人がいた が、指定病院も受け入れてもらえなかった」「身体のことには気をつけている」と…。
「リストラ、倒産にあって、今のところにいる」「自分たちは?ポリシー?を持っている」「今の社会が悪い」と話していました。北海道や長崎の出身で流れ 流れて京都にきて何年にもなる人、短い人でも一年三カ月、今の場所が自分にとっては安住の地、苦にならないと明るく話している姿に涙が出ました。
空缶集めをすると、一カ月三万円にはなるので、生活は苦にならないとのことでした。魚の料理人もいて、ときどきアルバイトに行っているので、余裕がある という人も。いろいろな立場の人たちが助け合いながら、生活をしていることを実感させられました。でもやはり淋しさ、不安はあるようです。
「一カ月に一回ぐらい回ってきてほしいなあ」といわれました。月一回は来れないが、また来ることを約束して帰ってきました。
これを企画に入れてよかった。上京健康友の会の一歩前進した運動として、これからもつづけていきます。
(上田靖子通信員)
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いつでも元気8月号No.142より