第21回 医学生のつどい【第2回実行委員会】
第2回実行委員会を開催しました!
去る2000年の3月27日から29日まで、第21回民医連の医療と研修を考える医学生のつどい第2回実行委員会が沖縄で行われました。
まずは、 開会式に引き続いて、学習会「医療と平和」を行ないました。講師は沖縄民医連の西銘圭蔵会長でした。この学習会のSGD(Small Group Discussion)では、初顔合わせであったこともあり、自己紹介ではどの班も大学名、学年にとどまらず、かなり時間をかけて自分の趣味や好きなものまでいろんなことを話して、互いに打ち解けたようです。
学習会の中では、西銘会長から学生へ「なぜ人を殺してはいけないのか」という質問がされ、ふだん当たり前だと思っていたことについて深く入り込んで議論し ました。「このような質問は、意外と考えたことのない質問で返答につまってしまうが、自分の頭で考える良い機会を与えてもらえ、当たり前だと思っているこ とをそのまま受け入れることの危険性について考えさせられた」という感想が出されました。
次に実行委員会目標とテーマについてのSGDです。今回はたいへん初参加者が多かったので、前述の開会式の中で実行委員会一言自己紹介に引き続き、事務局 長より「つどいってこんな感じ」ということで、昨年の企画なども含めての説明とこれまでの議論の整理を行う目的で、第1回実行委員会の様子をつどい通信 『Queen』を使って、以下のように説明しました。「実行委員会目標は、つどいを通してどんなことを伝えたいか、つどいに参加した人に何を持って帰って ほしいかという想いを出し合って話し合う中で、何をもってつどいの成功とするのか、そのために実行委員会としてどんな活動を行っていくかを具体的に表した もの。この目標は作って終わりではなく、企画作りのベースになるもので、何度も振り返り立ち戻るもの」。
各班のSGDでは、それぞれ参加者が互いに積極的に意見を出し合ったようです。簡単にまとめると、実行委員会目標に関して全体的にもっと分かりやすい、平 易な言葉にという意見が多く出されましたが、内容的には「よい」ということでした。その一方では、これまでの議論の経過やどういう想いで目標を設定したの かもう少し詳しく説明してほしいという意見も出されました。テーマ案に関しては、各班とも平和を通じて医療を考えたいという点で一致していました。しか し、議事録からの各班の様子からは、残念ながら「これだ!」というような具体的なテーマはあまり出てこなかったようです。 その後、夜の交流会へとなだれ込みました。全国からつどまった仲間と大学のこと、医師像、恋愛などたくさん交流しました。
二日目は7時起床、8時フィールドワーク出発という、朝の弱い人にはつらい一日の始まりだったかもしれません。本日の「戦跡・基地巡りin沖縄」の予定 は、ひめゆり資料館→糸数壕→普天間基地(嘉数高地)→嘉手納基地(安保の見える丘)です。参加者各々が実際足を運んで様々なことを感じ、いろいろ考える 機会となったようです。フィールドワーク後の各班のSGDではかなり盛り上がりました。
「資料館で見ていると、軍隊や政治の力でいとも簡単に人の命を踏みにじられたのがなんともいたたまれない」、「元学徒隊の人の話で特に体育で人殺しの練習 をしていたという話が印象に残った」、「あの中で生活していたなんて、実際に壕を見たけど想像がつかない」、「基地が普通に存在しているのは違和感を感じ た」、「基地の周辺の住民は戦闘機の爆音といつ事故が起こるかわからない恐怖に常に直面していることがわかった」、「基地に依存している人がいるのも事 実。基地の中に土地を持っている人はかなりのお金を得ている。周囲には基地に依存する店が並ぶ。基地によって受ける被害は数限りないが、基地がなくなれば その人たちは困ってしまうのでは?」、などのさまざまな感想が出されました。そして多くの参加者が「平和な世の中にするために何かしなきゃ」と思ったよう です。そのためにも歴史的事実を正しく学ぶことが必要で、その悲惨さ、残忍さだけを伝えるのではなく、「戦争は人が起こし、人が防げる」ものだということ を知ることが重要です。
フィールドワークの興奮も冷めないうちに、次は企画についてのSGDです。今年の企画については再度、事務局長より昨年の企画について説明し、第一日目に話し合ってもらった実行委員会目標の中でつどい三日間を一貫して流れるものとして、
* 民医連をよく知る
* 自分の医師像、生き方との接点を考える
* よりよい医療を追求していく(人々の幸福づくりに役立つ医師) という部分では一致点が見出せていることを改めて確認しました。その上でこれまでの第一回実行委員会の議論も踏まえて、今年の企画は「平和企画」「共同組 織企画」「奨学生活動交流企画」の三つを提案し、SGDで意見を出し合いました。
SGDの中では、この三つの企画のほかにつどいでこんなことやりたい!という主体的な意見も出されています。たとえば、卒前・卒後教育について、海外医 療、メディカルインタビュー…などですが、上記の三つの企画の提案はこれまでの全ての議論から導き出されたものなので、それぞれの「こんなことやりた い!」という想いは、地域に帰っての奨学生活動で積極的に取り組み、それを活動交流企画に持ち寄ろうということになりました。全体に共通した意見では「ぜ ひフィールドワークをやりたい!」ということです。
では、たくさんの意見の中からの抜粋です。
平和企画について
* 最近は平和への関心があがってきているので、良いと思う。
* FWをやって、その後、SGDをやれば、いい企画になるのでは?
* Drとしての戦争への関わりを考えてみたい。
* 平和というテーマは内容が幅広いので、何か一つに絞った方が良い。
* 平和とは何か。
共同組織企画について
* 実際の現場に出て触れ合える企画が良いと思う。
* 地域の人々と話をしてみたい
* 初めて参加した人には分かりにくいものだと思うから十分な配慮が必要だと思う。
奨学生活動交流について
* 分科会形式にしたら面白そう。
* 自分の県ではあまり活動していないが、みんなの話を聞くと、やってみようかなと思う。
* 奨学生でない人も一緒にやる活動だということをきちんと説明すべき。
このような意見を元に各企画は実行委員の手で本番に向けて作られます。 そんなこんなで二日目の交流会です。地元の子ども達による迫力ある沖縄の踊りや琉球大学尾辻君の三線、愛媛大学清水君のバイオリン、そして班対抗つなが りクイズで各地の文化交流(?)をし、大いに盛り上がりました。
三日目は奨学生活動交流として九州・沖縄の大学の奨学生活動「KOMSA(コムサ)」の水俣フィールドの発表がありました。その後、昨日それぞれの企画に ついてでた意見をまとめ、各企画プロジェクトごとに分かれ、企画の具体的内容について話し合ってもらいました。