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2024年度介護保険制度の見直しに関する意見
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 12月19日(月)、第105回社会保障審議会介護保険部会が開催され、「介護保険制度の見直しに関する意見」の取りまとめが行われ、「給付と負担」についての各項目は以下のようにまとめられました。
(1)1号保険料負担の在り方
 介護保険制度の持続可能性を確保するためには、低所得者の保険料上昇を抑制することが必要であり、負担能力に応じた負担の観点から、既に多くの保険者で9段階を超える多段階の保険料設定がなされていることも踏まえ、国の定める標準段階の多段階化、高所得者の標準乗率の引上げ、低所得者の標準乗率の引下げ等について検討を行うことが適当である。具体的な段階数、乗率、低所得者軽減に充当されている公費と保険料の多段階化の役割分担等について、次期計画に向けた保険者の準備期間等を確保するため、早急に結論を得ることが適当である。
(2)「現役並み所得」、「一定以上所得」の判断基準
 「一定以上所得」(2割負担)の判断基準について、後期高齢者医療制度との関係、介護サービスは長期間利用されること等を踏まえつつ、高齢者の方々が必要なサービスを受けられるよう、高齢者の生活実態や生活への影響等も把握しながら検討を行い、次期計画に向けて結論を得ることが適当である。
 「現役並み所得」(3割負担)の判断基準については、医療保険制度との整合性や利用者への影響等を踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当である。
(3)補足給付に関する給付の在り方
 補足給付に係る給付の実態やマイナンバー制度を取り巻く状況なども踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当である。
(4)多床室の室料負担
 介護老人保健施設及び介護医療院の多床室の室料負担の導入については、在宅でサービスを受ける者との負担の公平性、各施設の機能や利用実態等、これまでの本部会における意見を踏まえつつ、介護給付費分科会において介護報酬の設定等も含めた検討を行い、次期計画に向けて、結論を得る必要がある。
(5)ケアマネジメントに関する給付の在り方
 ケアマネジメントに関する給付の在り方については、利用者やケアマネジメントに与える影響、他のサービスとの均衡等も踏まえながら、包括的に検討を行い、第10期計画期間の開始までの間に結論を出すことが適当である。
(6)軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
 軽度者(要介護1・2の者)への生活援助サービス等に関する給付の在り方については、介護サービスの需要が増加する一方、介護人材の不足が見込まれる中で、現行の総合事業に関する評価・分析等を行いつつ、第10期計画期間の開始までの間に、介護保険の運営主体である市町村の意向や利用者への影響等も踏まえながら、包括的に検討を行い、結論を出すことが適当である。
(7)被保険者・受給者範囲
 介護保険を取り巻く状況の変化も踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当である。

 いずれの見直しも、今回の報告書の取りまとめでは結論を出さずに先送りとされました。その中で、(1)1号保険料負担の在り方、(2)「一定以上所得」(2割負担)の判断基準については、次期計画に向けて結論を得ることが適当とされ、遅くとも来年夏までに結論を得るため、引き続き介護保険部会において議論を行うとされました。
(4)多床室の室料負担についても、次期計画に向けて結論を得ることが適当とされましたが、今後は介護給給付費分科会において議論されることになります。
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全日本民医連
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