くすりの話 159 医薬品副作用被害救済制度
Q:薬の副作用に対する救済制度があると聞きましたが
A:医薬品副作用被害救済制度のことですね。厚生労働省所管の「医薬品医療機器総合機構」が実施しているもので、医薬品の用法・用量及び使用上の注意を守って使用したにもかかわらず、重い副作用が発生した被害者に対して、迅速な救済を図ることを目的とした制度です。
そして健康被害の原因が医薬品によるものだと明らかになった場合に、救済の対象となります。医療費の自己負担分や副作用により障害が残った場合の生活保障や、亡くなられた場合は遺族年金などとして、給付がおこなわれます。
ここで言う医薬品とは、病院や診療所で処方される「医療用医薬品」や、ドラッグストアなどで購入できる「一般用医薬品」のことです。また、対象となる副 作用は、入院を必要としたり日常生活が著しく制限されたりするもの、あるいは死亡してしまうほどのものを言います。
Q:制度の対象にならない場合もあるの?
A:次のような場合は、救済制度の対象にはなりません。
(1)決められた用法・用量を守らなかった場合
(2)法定予防接種を受けたことによる場合(予防接種健康被害救済制度の対象になります。任意予防接種の場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象です)
(3)救命のため医師の判断により、やむを得ず通常の医薬品の使用量を超えて使用した場合
(4)がんや特殊な病気に使用する医薬品(抗がん剤、免疫抑制剤など)による場合(リウマチに用いるものなど、一部対象になる医薬品もあります)
(5)健康被害が入院を必要としない、頭痛や眠気、吐き気などの軽い症状の場合
(6)医薬品の製造販売業者などに損害賠償の責任が明らかにある場合
(7)個人輸入や海外で購入したもの
(8)請求期限が過ぎている場合
Q:請求方法はどうするの?
A:請求は医薬品医療機器総合機構に健康被害を受けた本人、または遺族がおこないます。請求の際は医師の診断書や投薬証明、診療費明細書や薬の販売証明(レシートや領収書)が必要になります。
請求後、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で審議され、厚生労働大臣の判定結果をもとに給付の可否が決定されます。また、医療費や遺族年金には、5年間などの請求期間があるので注意が必要です。
詳しくは、薬剤師や医薬品医療機器総合機構の相談窓口にお問い合わせください。
(TEL0120-149-931)
いつでも元気 2013.9 No.263