いつでも元気

2011年11月1日

元気スペシャル 全国で「お役に立ちます!!」共同組織 地域の健康、私たちが守る

地域で評判「乳がん検診なら名南病院で」

乳がん検診広げ、年間1200件

愛知・名南健康友の会

 「地域住民のいのちと健康をみんなで守ろう」とがんばる共同組織のとりくみを紹介する本号「スペシャル」。最初は、友の会員と職員がいっしょに乳がん検診を広げている名南健康友の会(愛知県名古屋市)です。

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班会で活躍中の手作り紙芝居を見せる(右から)鈴木医師、森看護師、松土敏子さん、田中里奈さん

 友の会が乳がん検診を広げようととりくみはじめたきっかけは、名南病院に新しい検診機器が導入されたことでした。
 二〇〇八年にマンモグラフィー(乳房X線撮影)装置が更新され、撮影時の痛みが少なく、受診者の負担が軽くなりました。「この機会に私たちも試しに受けて、地域の方々にもおすすめしようと話しあったんです」と、同健康友の会の尾鍋トシ子さんは話します。
 同じ時期に、名南病院を運営する法人(名南会)で健診委員会が発足したことも、とりくみを後押ししました。
 班会に職員が出向いて学習会を開いたり、友の会の機関紙や地域訪問で呼びかけたり。その成果は、年間約一二〇〇件という受診者の数に結実しています(〇八~一〇年で陽性二一件)。

30~50代女性の死因第1位

 いまや乳がんは、三〇~五〇代の日本人女性の死因で第一位といわれています。三〇代から発症率が急増する一方、自己検診(自分で乳房をさわって点検する)でも見つけることができ、早期に発見すれば治せる病気でもあります。
 地域の学習会では、乳がんの基礎知識や自己検診のしかたをレクチャー。集まった六~七人の友の会員が、「みんなで検診を受けに行きましょう」という話になることもしばしばです。
 乳がん検診普及のとりくみは地域に浸透。スポーツジムの更衣室で「乳がん検診を受けるなら名南病院がいいわよ」と会話しているのを耳にした友の会員もいるほどです。

看護師が手書きのメッセージ

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森看護師が手紙に貼るシールも好評

 さらに、友の会員の間で話題になっているのが、看護師の森幸子さんが送ってくれる“お手紙”です。前回受けた検診から一年経った利用者に届く「乳がん検診のご案内」には、「自己検診は続けていらっしゃいますか?」など、必ず手書きのメッセージが添えられています。
 「手書きの部分があったほうが、『来てほしい』という思いがより強く伝わるでしょう」と森さん。季節に合わせたシールを貼り、毎月八〇~二〇〇通も送り ます。「気持ちのこもったお手紙をいただくと、やっぱりことしも受診しなければと思いますよね」と、前出の尾鍋さんは語りました。

「いのち守る」こだわりの医師

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模型を使って自己検診のしかたを学習(名南会提供)

 地域で高まる評判と信頼にこたえる上で、大黒柱の役割を果たしているのが、乳腺外来の鈴木るり子医師です。
 名古屋市が補助対象とする乳がん検診が「触診のみ」だった時代から、無料で乳腺エコー検診を追加するなど、「いのちを守り、救う」ことに徹底してこだ わってきました。「できるだけ精密な検査をして、早く見つければ、それだけいのちを救える可能性が高まるわけですから」と、鈴木医師は熱をこめて語りま す。
 名南病院の乳がん患者でつくる「ひまわり会」の面々は、「先生の診察と説明が丁寧で親切」「大きな病院のように先生が替わらないのがうれしい」と。手術 後も一〇年以上にわたって再発の不安とたたかい続けるみなさんにとって、鈴木医師の存在は何よりの支えです。

「運動を広げたい」

 乳がん検診は、現在の名古屋市では四〇歳以上の女性が対象で、二年に一回しか補助がされません。「対象年齢を広げ、一年に一回の補助にするため、運動を広げたい」と、同健康友の会会長の土肥カヅ子さんは語ります。
 「乳がん検診と同じく、大腸がん検診も広げようととりくんでいます。がんで亡くなる仲間や地域住民をできるだけ減らしたい。一人でも多くのいのちが救わ れて、『この地域に名南病院があってよかった』と思ってもらえたら、何よりうれしいことです」と笑顔を見せました。
文・武田力記者/写真・若橋一三

“放射線マップ”作りに挑戦

医療生協さいたま

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JR武蔵浦和駅東口にて。右から2番目が菊池支部長

 八月二七日、浦和民主診療所(医療生協さいたま)地域の五泉支部では、近隣の放射線を測定しました。
 理事や職員を含む参加者六人が田島団地に集合。全日本民医連発行の『原発問題学習パンフレット』を使い、放射線が人体や環境にあたえる影響を学習しまし た。団地内にある公園の砂場から測定を開始。調査方法は、高さ五センチ、五〇センチ、一メートルを各五回測り、それぞれの平均値を出して記録します。
 二カ所目の測定地、荒川彩湖公園の遊具付近で測定をしていると、散歩をしていたご夫婦から「何をしているの?」と声をかけられました。ご夫婦は体にあた える放射線の影響が、何十年も経ってから出てくる可能性があることや、「子どもを家に閉じ込めておくのもかわいそうだけど、外で遊ばせていいのかわからな い。子どもは注意して見ていても、外に出ると草をむしったり泥で遊んだりしてしまう。テレビを見ていても、どの解説者を信用していいのかわからない。政府 が責任を持って見解を示してほしい」と不安を語りました。
 測定をおこなった五カ所のうち、もっとも高い線量を記録したのは、最後の測定地、JR武蔵浦和駅東口の植え込みでした。高さ五センチでの三回目の測定 で、〇・二七マイクロシーベルト/時。線量が上がったのはその瞬間だけで、その後は他の場所で測定した数値と変わりませんでした。
 参加者からは、「新聞などで放射線の数値は見ているが、実際に自分たちで測定をおこなってみて、おどろくほど高い数値は出なかったから安心した」「草木 が多いところはクリーンなイメージがあって、放射線の影響も少ないと思っていたが、他の場所と変わらなかった。むしろ森などでは放射線物質が循環してしま うことがあると、今日の学習で初めて知った」などの感想が出されました。
 支部長の菊池昭子さんは「測定した数値にどんな意味があるのかなど、もっと認識を深めるための学習会をしたい」と。
 医療生協さいたまでは、各支部で測定した数値を集計して、“放射線マップ”をつくる予定です。
文・安井圭太記者/写真・五味明憲

学んで測って 楽しく運動

商店街の夏まつりで健康相談会
宮城・大崎健康福祉友の会

 八月四日、大崎市内の商店街でおこなわれた夏まつり会場で、「青空健康相談会」を実施しました。当友の会員と古川民主病院の職員あわせて二五人が参加しました。
 道行く人々に「年に一度は健康診断を受けましょう」と呼びかけ、六五人がテントに寄ってくれました。
 反核署名もあわせてとりくみ、多くの署名が集まりました。
 血圧測定の結果、筆者自身が明らかな高血圧と診断され、看護師から「医師の診察を受けるように」と注意される一幕もありました。
(皆川秀雄通信員)

太極拳で元気に長生き

東京・三多摩健康友の会

 当友の会日野支部は、太極拳が盛んです。程久保班は楊名時太極拳24式を開始して8年目と、歴史も長くなりました。
 このサークルの人気の秘けつは、体に良いことはもちろん、なんとも落ち着く静寂感が心を癒すからです。参加者の中には高齢の方もいらっしゃいますが、太 極拳は各自が持っているリズムで体を動かしていくので、「自分のペースでできる」とのこと。
 来年1月に100歳になる今井ゆき子さんは、「数年前、甲状腺がんの手術を受けましたが、太極拳の呼吸法に助けられて現在に至ります。健康と長生きのために、ぜひ太極拳をお勧めします!」と話しています。
(杉崎健一)

原発と放射能を学ぶ

東京・足立健康友の会

 当友の会北千住支部では、「原発と放射能を学ぼう」と学習会を開きました。
講師に放射線技師OBの鈴木善一さんを迎えました。
 「シーベルトって何?」「ベクレルの意味は?」など、まるで学校の授業を聞いているかのよう。「難しいかな」と思いきや、牛肉や米など身近な食品の話題になると、活発に質問や意見が出されました。
 参加者の一人は、「いまの日本はおかしい。問題が山積み。せめて孫たちには、健康で安全な社会を手渡したい」と。
 早く原発事故が収束に向かい、被災地が復興できることを願い、「平和と健康が一番」とお開きになりました。
(大井民江通信員)

いつでも元気 2011.11 No.241

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