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民医連新聞

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副作用モニター情報(202) 非定型向精神薬による副作用の軽減

 抗精神病薬の副作用として、パーキンソニズム、遅発性ジストニア、横紋筋融解症、乳汁分泌などが報告されています。中でもパーキンソニズム、ジストニア、アカシジアは、錐体外路症状の初期症状として最も頻度の高い副作用です。

 そのため従来は、抗精神病薬を処方する場合、予防的に抗パーキンソン薬が投与されていました。しかし近年、錐体外路症状と関係のある脳内のA9領域より も、精神症状と関係のあるA10領域に選択的に作用すると言われている「非定型抗精神病薬」を選択することで、錐体外路症状が軽減できるようになりまし た。また、記憶機能への影響、遅発性ジスキネジアや悪性症候群の誘発、薬物依存といったデメリットのある抗パーキンソン薬の併用を避けられるようになりま した。

 遅発性ジストニア、遅発性ジスキネジアは、錐体外路障害の遅発症状で、抗精神病薬の長期投与により出現する非可逆性の副作用です。そのため抗精神病薬を 漫然と継続するのではなく、臨床症状と「コントミン換算」を用いて抗精神病薬の量を把握し、精神症状の変化に合わせて細やかに投与量を調整する必要があり ます。

 なお、遅発性ジスキネジアは、抗パーキンソン薬を投与すると症状が悪化するので注意が必要です。

(民医連新聞 第1334号 2004年6月21日)