民医連事業所のある風景 青森 中部クリニック “民医連らしい”医療・介護・福祉活動の拠点をめざして
中部クリニックは青森市の真ん中に位置する場所にあります。1975年に現在の青森市中央で中部病院として診療を開始し、救急からリハビリ、さらには在宅診療まで幅広い医療活動を行っていました。94年のあおもり協立病院建設に伴い、病院から無床診療所の中部クリニックとして再出発しました。
もともとが病院として使用していた建物のため、2000年の介護保険制度開始にあたりクリニックのほかにデイサービス、訪問看護、訪問介護、居宅介護支援事業所と多くの介護事業所とともに、地域における医療・介護・福祉のセンター的な役割、また終末期を含めた重厚な在宅医療の展開をめざしてきました。
建物も築47年を超え、また法人内の事業所の再編もあり、法人内の診療所と統合する形で現有地に建て替えを行い、2022年10月に新生中部クリニックとして診療を再開しました。新しいクリニックには、地域住民や地域組合員が集える場所として院内に組合員ルームをつくり、支部の運営委員会や班会、ヨガや太極拳のサークルなどで多くの方に活用していただいています。
臨時往診から看取りまで
リニューアル後の中部クリニックでは、医師の体制が1人から2人となり、外来、在宅診療のほか発熱外来も実施しています。以前はたくさんあった介護事業所も現在はデイサービスのみとなりましたが、自分たちの強みを生かしながら地域の「かかりつけ医療機関」をめざして医療・介護活動を行っています。
在宅診療では約200件の在宅患者を、ベテラン医師2人と非常勤医師3人で臨時往診から看取りまで24時間体制で対応しています。
クリニックの医療活動では医師だけではなく看護師の役割が大きく、患者への積極的なかかわりが医療面だけではなく、患者への安心につながっています。もちろんその活動を支える事務職員の役割も大切な要素であることは言うまでもありません。
子どもから高齢者まで
地域とのつながりづくり
地域とのつながりづくりをすすめる活動の一環として、近隣の小学生を対象にした「こどもメディカルツアー」を開催しています。医療職を身近に感じてもらい将来の医療従事者の育成と、事業以外での地域貢献活動を目的に行っています。
現在、地域住民の高齢化、一人世帯の増加が進行しています。クリニック近隣の町内会との連携も模索しながら、健康・介護認定実態調査や町内の活動で協力できるものに積極的に参加していきたいと考えています。
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中部クリニックが青森市における“民医連らしい”医療・介護・福祉活動の拠点となれるように新しいものにもどんどんチャレンジし、めざすべきクリニックになれるよう奮闘していきたいと思います。
(中部クリニック 事務長 秋山和範)
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