民医連事業所のある風景 鹿児島 国分生協病院 国分生協病院の歴史&事業所紹介
当院の所在地である鹿児島県霧島市は、薩摩半島と大隅半島の中間に位置する自然豊かな都市で、桜島を望む美しい景観と多彩な観光資源で知られています。総面積約603平方キロメートル、人口は約12万人を擁する、鹿児島県内第二の都市です。霧島市は、日本で最初の国立公園として指定された霧島錦江湾国立公園を有し、雄大な霧島連山や豊かな温泉地帯が特徴です。なかでも霧島温泉郷は、湯質の豊富さと心地よい自然環境で人気を集めています。また、2022年に国宝に指定された霧島神宮は歴史と神秘に包まれた神社で、初詣や観光客でにぎわいを見せます。
国分生協病院は、その霧島市の中心地である霧島市国分に1982年10月に〝国分病院〟として病床35床で開院しました。当時の霧島市には救急医療機関が少なく、急性期医療においては医療過疎という状況でした。開院前、透析や子どもの治療、大事故による怪我のために鹿児島市内まで通院しなければならなかった地域住民の声を受けて、医師3人体制で開院しました。以降、職員・組合員が協力して近隣地域の医療を支えてきました。
その後、84年に小児科、85年に透析を開始、87年に国分生協病院へ名称変更、88年に外科を開設しました。その後、4回にわたる増床を経て、2000年7月に現在の129床となりました。地域医療、特に救急医療を守るため、地域の医師会・行政とも連携を密にし08年3月に姶良(あいら)地区CCU輪番制、13年4月に地域の休日時間外救急輪番制を開始させるなど中心的な役割を果たしてきました。15年には無料低額診療事業も開始しています。
病院の特徴として、以下の4点があります。
① 救急医療
霧島市の救急二次輪番病院として、年間1200台以上の救急車受け入れを行っています。診療時間外や専門外でも医師が対応可能な範囲で診療を行っています。
② 循環器内科
心臓病の診断・治療においては、心臓カテーテル検査や経皮的冠動脈形成術(PCI治療)などを提供し、狭心症や心筋梗塞の診断と治療に注力しています。PCIの治療実績は、二次医療圏全体で4割のシェアを誇っています。
③ 透析医療
透析部門では、通常の外来透析に加え、入院中の患者への透析や特殊な血液浄化療法も実施しています。霧島市内唯一の入院できる透析施設として、重篤な疾患への対応も可能で、患者の多様なニーズや地域の透析医療機関の紹介に応えています。また近年、患者のQOLを重視し腹膜透析管理も積極的に行っています。
④ 在宅医療
連携強化型の在宅療養支援病院として、地域の開業医の先生方と協力しながら訪問診療を行っています。患者や家族の思いに寄り添いながら、自宅で安心して療養生活が送れるようにサポートしています。病院敷地内には居宅介護支援事業所や訪問看護・訪問介護・通所リハビリが設置され、在宅介護の支援にも力を入れています(下写真)。
17年11月には待望の新築移転を行いました。現在の所在地は、市役所・警察署・消防署などの行政機関が近隣にあり、連携も取りやすくなっています。移転の際には組合員、職員が意見交換を行い、新しい病院づくりをすすめました。
21年度から、病院理念を「笑顔あふれるまちなか病院 地域に寄り添い、安心・安全な医療を提供します。」とし、患者・組合員に寄り添うことを第一にこれからも地域医療にとりくんで参ります。
(国分生協病院 事務長 大橋公昭)
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