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民医連事業所のある風景 香川 高松平和病院 「誰のために・何のために」の医療・介護活動を常に考えながら、連携・共有を大切に平和病院の優位性を強めています

 当院は市内人口約41万人(県人口約94万人)の香川県高松市の市街中心部に位置し、病棟からは国の特別名勝に指定されている栗林(りつりん)公園を展望することできます。病棟構成は一般急性期57床、地域包括ケア45床、緩和ケア21床の123床を有しており、共同組織の皆さんとのかかわりを深め、また高松市内の基幹病院(県立中央、高松日赤、香川大学病院など)からの紹介や地域の医療機関との繋がりのなかで「連携」を重視しています。私たちは常に「誰のために・何のためにの医療・介護活動か」を意識し、毎年病院目標にこの文言を掲げて奮闘しています。
 当院は県内で数少ない緩和ケア病棟を有しており症状コントロールを行いながら、その人らしい人生の最期を迎えられるよう一人ひとりに寄り添った医療活動を心掛けています。緩和ケア病棟開設(2011年)から13年が経過し、これまで約2600人の方が利用され、基幹病院や地域のなかでも「緩和ケアのことは高松平和病院に相談したら何とかしてもらえる」というポジショニングが浸透してきています。また年1回「すずらんのつどい」(遺族会)を開催し、ご家族から「ここに来てよかった」というお言葉をいただくこともあります。さらにもっと多くの方に緩和ケアの存在を知ってもらったり、地域の人々が人生をよりよく生きることに貢献できるよう、班会や地域支部へのイベントにも参加しています。
 また、ここ数年は在宅医療の役割を重視し活動を拡大しています。2023年5月に「訪問診療科」を立ち上げ、在宅患者やご家族からの問い合わせ窓口を一本化することで、これまでより情報共有がスムーズに行えるようになりました。そして当院退院後も引き続き入院中の主治医に診療を継続してもらえることは患者やご家族の安心につながっています。必要なときに入院ができるという在宅療養支援病院の役割を担い、訪問診療科の強みを生かし、訪問看護や訪問介護の事業所とも連携を強め、今後も利用者のニーズに応えていけるよう考えています。
 そして築40年以上となった現病院の新築移転を計画しています。建築費用の高騰や診療報酬制度の改悪など厳しい情勢ではありますが、経営的に実現が可能かどうか、病院機能の転換なども含めて論議が始まったばかりです。私たちはこれからも「誰のために・何のためにの医療・介護活動か」を問いながら、地域になくてはならない病院として存在し続けていきたいと考えています。
高松平和病院 事務長 長谷川貴彦)