民医連新聞

2024年10月8日

診察室から 診療所から病院に変わって

 2024年5月にみどり病院が新築リニューアルし、「こころのケア外来(精神科)」の診察室は門前のすこやか診療所から、みどり病院のなかに変わることになりました。これまでは、内科の診療所であるすこやか診療所の一部を間借りして、10数年やってきましたので、みどり病院のなかに入るというのは「こころのケア外来」としては大きな変化です。
 一番の変化は、他の科の医師や患者との距離感が近くなったことです。内科の病棟のなかで、不眠・不安・認知症の症状などにより、内科の治療に支障をきたしているような人に対し、内科の主治医から依頼を受けて共同で診察にあたる機会が増えました。
 また、アルコールに関連する課題を抱える内科の患者について、内科の医師といっしょに集団治療プログラムを行ったり、自宅にこもりがちでなかなか居場所を見いだせない若者については、小児科の医師といっしょに「若者グループ」のとりくみを定期的に行ったりなど、他の科の医師といっしょにとりくむことも増えています。
 一方で、残念ながら病院のなかに入ったことに起因するデメリットもありました。ある患者からは、「今まで診療所でこぢんまりした外来だったので来やすかった。大きい病院のなかの精神科は落ち着かないから行きたくない」との話をもらいました。このような理由で受診が途絶えてしまったことが、現在まで何度か起こっています。できる限り受診のハードルを下げるための方法を、今後検討していかなければ、と思っています。
 また、精神的な不調で困難を抱えて、当日飛び込みで相談に来る患者本人や家族も増えたように思います。ただ、現在当院に在籍する精神科医師は私一人であり、初診予約日までお待たせする期間も長く、期待に十分応えられていないのが実情です。
 どの診療科も同様だと思いますが、医師不足の改善が喫緊の課題であると実感しています。
(遠藤嶺、岐阜・みどり病院)

(民医連新聞 第1815号 2024年10月7日号)

リング1この記事を見た人はこんな記事も見ています。


お役立コンテンツ

▲ページTOPへ