副作用モニター情報〈619〉 フェキソフェナジンによるかゆみ・発疹
フェキソフェナジンは、H1受容体拮抗(きっこう)作用だけでなく、ケミカルメディエーター遊離抑制作用・炎症性サイトカイン遊離抑制作用・好酸球遊走抑制作用などを有するとされる第2世代抗ヒスタミン薬です。乳幼児から高齢者まで幅ひろく使用でき、眠気が少ないのも特徴で、内科・耳鼻科・皮膚科など多くの診療科で使用されています。
今回はそのフェキソフェナジンの「かゆみ・発疹」の副作用を紹介します。
症例)男性幼児
アレルギー性鼻炎のためフェキソフェナジンドライシロップを服用開始。服用1時間後、足首と手首にかゆみが出現。翌日2回目の服用後、口の周りにも赤い発疹が出現したためフェキソフェナジン中止、オキサトミドに変更。翌日より発疹は消失。
投与2回とも症状が出たので、フェキソフェナジンによるアレルギーと判断。
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フェキソフェナジンの添付文書では、過敏症の項目で「そう痒(よう) 5%未満」「蕁麻(じんま)疹・発疹 0.1%未満」の報告があります。そう痒の割合が比較的高いのは注目点です。当モニターへの報告でも過去に発疹7例・そう痒5例の報告が上がっています。
もともとアレルギー症状の多い患者に処方される機会が多いことから、疾患による皮膚症状が出やすいことを考慮する必要があるかもしれません。また、かゆみなどで処方された場合、それが副作用と判断できず、症状の悪化につながる可能性もあります。アレルギー薬とはいえ「かゆみ・発疹が出る」ということを頭に置いておくことも大切です。
フェキソフェナジンは、鼻炎のみの適応ですが、一般用医薬品としてもひろく流通しているため、よりひろく使用されています。薬を飲んでもかゆみが止まらないという訴えがある時は、飲んでいるその薬が原因では? という発想をもってみましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
(民医連新聞 第1810号 2024年7月15日号)
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