民医連新聞

2024年7月2日

「戦後最大の人権侵害」 に国は謝罪を 優生保護法裁判最高裁が統一判断へ

 優生保護法下で不妊手術を強制された人たちが、国に謝罪と賠償を求めてたたかう大阪・東京・北海道・兵庫・宮城の5つの裁判で、最高裁判所大法廷は5月29日、弁論を開き、同日結審しました。下級審はいずれも、優生保護法は憲法違反で、原告らへの手術は違法と認定。しかし、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用で判断が分かれており、最高裁が統一判断を出す見通しです(判決は7月3日の予定)。
 弁論後の報告集会には、5人の原告らが出席し、思いを語りました。東京訴訟原告の北三郎さん(仮名)は、上告を取り下げない国への怒りをあらわにし、自身の67年間の苦しみと、裁判中に亡くなった6人の原告を思い、「国に『悪かった』と謝ってもらいたい」と訴えました。弁護団長の新里宏二さんはあらためて、優生保護法下の強制不妊手術は「戦後最大の人権侵害」と指摘。「声をあげられない被害者の立法的救済への起爆剤となる判決を期待したい」とのべました。
 全日本民医連は結審に際し、声明「原告・被害者の願いにかなう、公正と正義に基づく判決を強く求める」を公表。最高裁に「すべての被害者に対する補償と尊厳の回復を実現させ、いまだ社会に根づく優生思想の根絶へ向けた規範となる考え方を示すこと」を求めました(ホームページ参照)。

(民医連新聞 第1809号 2024年7月1日号)

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