民医連新聞

2024年5月21日

人権を守り発展させる市民の力 入管闘争市民連合代表 弁護士・指宿昭一さん

 在留資格のない人は人権の対象として見ていない、これが日本の最大の問題です。働けず、社会保険にも入れず、いのちを守る医療にもかかれない。根底には戦前から続く排外主義があり、外国人の人権を守ろうという視点がありません。
 人権は本来、すべての人にはじめから備わっている、侵してはならないもの。国家という市民を抑圧する最大の権力に対抗するため生まれたのが、人権という考えです。しかし、日本では憲法の上に入管法あり、在留資格の枠内でしか人権を認めない、国際人権法上も間違った運用がされています。
 人権を守り発展させる力は、私たち市民のなかにあります。2021年の入管法改悪反対の運動から、市民やメディアの認識も発展し、社会の変化も感じます。初めて自分から行動した人や幅ひろい組織とのつながりが生まれ、草の根の運動が各地で起こっています。これを育てることが唯一の希望です。個人や市民の力に確信を持ち、諦めずたたかい続けましょう。
 民医連は、いのちと健康を守るためにがんばっている組織。だからこそ非正規滞在の外国人にも、できる限りのことをしてほしいです。一方で現場がすべてを抱えることはできませんし、社会が解決すべき課題でもあります。現場の矛盾を民医連から発信し、多くの人と手をつなぐことができれば、社会を変える大きな力になるはずです。(聞き手・稲原真一記者)

(民医連新聞 第1806号 2024年5月20日号)

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