ケアマネの八面六臂な日々
模擬試験は14点!
今回から、このコラムを担当させていただきます石田美恵です。ケアマネジャー(介護支援専門員)は何をしているのか、その姿がなかなか見えないといわれるなかで、笑いあり、涙あり、怒りありの現場から実態をお届けします。
コラムの題名を相談した私の師匠から、「三面六臂」との案がありました。三面六臂とは3つの顔と6つの腕を持つ阿修羅像が有名で、一人で何人分もの仕事をこなすという意味で使われます。今風に言えば二刀流でしょうか。
しかしケアマネはもっとたくさんの仕事を抱えている、背負わされているという意味で、「八面六臂」にしました。メジャーリーガーの大谷選手のように、なんでもできる訳ではありません。なんだか分からないけれど、いろいろなことをやる羽目になっている。やらざるを得ない状況でたくさんのことを抱えている、というのが正直な感じです。
さて、1回目はケアマネの資格についてです。2000年の介護保険制度開始にあたり、最初の資格試験が1998年に実施されました。私は当時、看護主任として埼玉県内の病院に勤務。「役職者は全員受験せよ」とのお達しで、否応なく受験し合格しました。
資格番号は「1198〇〇〇〇」。最初の11は埼玉県の番号で、次の98が98年度登録の意味です。ケアマネの資格番号を見ると、いつどこで資格を取得したかが分かります。
1回目の試験に向けて受験対策講座があり、模擬試験を受けました。私の結果はなんと14点! 14点…14点…。20年以上経った今でも、その数字だけが記憶に残っています。
最高得点は90点以上をとった薬剤師さんだったので、百点満点だったのは間違いありません。それがなぜか試験には合格したので、総婦長から「間違いじゃないの?」と言われました。正直、私自身も合格したのが不思議でした。
今、ケアマネの合格率は20%前後で、各種資格試験のなかでもかなり低いです。ケアマネが全国的に足りない状況でなぜ、合格率を上げないのか、何か裏があるとしか思えませんね。AIでケアプランは作成できても、人の支援は人がするものです。プンプン!
石田美恵
東京民医連のケアサポート千住(足立区)所長
全日本民医連「ケアマネジメント委員会」委員長
いつでも元気 2024.4 No.389