副作用モニター情報〈601〉 抗コロナウイルス剤(内服薬)による副作用
今回は、当モニターに寄せられた抗コロナウイルス剤のラゲブリオ(一般名:モルヌピラビル)、パキロビッドパック(一般名:ニルマトレルビル・リトナビル配合剤)の副作用について、紹介します。2022年9月までに、ラゲブリオについては8例(発疹が4例、下痢・吐き気が2例、不眠などの精神症状が2例)、パキロビッドパックについては1例で、いずれも重篤なものではありませんでした。
症例1)60代女性
抗ヒスタミン剤オロパタジン服用中。
新型コロナウイルス感染症と診断され、ラゲブリオ服薬開始。
4日目:腕全体に湿疹発現、足にも2カ所の発疹あり。医師に問い合わせ、内服中止。
中止6日後:足にはまだ残っているが、だいぶ改善。
症例2)40代女性
喫煙者。
新型コロナウイルス感染症のハイリスクとされたため、ラゲブリオ服用開始。帰宅後、2回目の服用で強い吐き気を感じ、医師に問い合わせた結果、内服中止。吐き気は1日で治まり、新型コロナウイルス感染症も軽症で完治した。
症例3)60代女性
新型コロナウイルス感染症と診断され、基礎疾患に気管支ぜんそくがあること、ワクチン未接種のためパキロビッドパックが処方された。
内服1日目:下痢・嘔吐(おうと)が発現。計2回内服し、自己判断で中止。下痢は水様便。
中止2日後:下痢がぶり返したが8日後には改善、嘔気(おうき)は改善したが時期は不明。
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抗コロナウイルス剤の副作用は、感染症の症状と類似している場合は医師でも鑑別が難しいようです。疾患による症状なのか、薬剤による症状なのか、区別できない際は医療機関に相談しましょう。
(全日本民医連医薬品評価作業委員会)
(民医連新聞 第1789号 2023年8月21日)
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