民医連新聞

2023年6月20日

いのち、人権が守られる平和・公正な未来へ 全日本民医連創立記念日 6月7日全国一斉行動

 6月7日に全日本民医連は70周年を迎えました。これを記念して全国をWEBでつなぎ、各地の歴史や思いを共有しました。

 全日本民医連の増田剛会長が開会あいさつ。「誕生から70年、私たちは“困難あるところに民医連あり”の構えで歩み、『まず看る、援助する、何とかする』の姿勢を貫いてきた。70周年の喜びをみんなで分かち合い、さらに前進したい」と呼びかけました。
 その後、全国から動画やライブの1分間のパフォーマンスで、歴史や活動を交流(詳細は後述)。また韓国とWEBでつなぎ人道主義実践医師協議会の共同代表で、グリーン病院院長のキム・ミジョンさんが「いのちを大切にする民医連のような病院になり、無差別・平等の医療、核なき世界の実現に向けてがんばります」と連帯のあいさつをしました。
 70周年記念企画の実行委員長で、全日本民医連副会長の加賀美理帆さんが閉会あいさつし、「みなさんの協力で80周年にふり返れるような完成度の高い企画になった。民医連綱領のもと、明日からのみなさんの力にすることを確認したい」と締めくくりました。
 各県連の発表の概要です。

【北海道・東北地協】
 北海道民医連は動画で、若手職員が反戦・平和の思いで声をあげ、選挙に行こうと呼びかけた活動を紹介しました。
 青森県民医連は、1947年の津軽診療所の設立から、現在の事業所や共同組織との活動が見える動画で歴史を報告しました。
 岩手県民医連は、66年の盛岡民主診療所の設立から、民医連結成や現在の事業所を解説。川久保病院の玄関前で、職員を空撮した動画を紹介しました。
 宮城県民医連は、各事業所や部門の職員が「憲法9条を守ろう」「ウクライナ戦争反対」など、思い思いの宣伝物を持った集合写真を動画で表現しました。
 秋田県民医連はなまはげに扮した職員が、原水爆禁止世界大会に向けた活動をライブで共有。岸田政権の大軍拡に反対し、核なき世界をめざそうと呼びかけました。
 山形県民医連は、共同組織と協力した後継者育成のとりくみ「母ちゃん食堂」で、お弁当を医学生に届ける活動を報告しました。
 福島県民医連は東日本大震災後の支援へのお礼や、福島の現状を動画で紹介。全国の仲間とともに、原発ゼロに向けたとりくみを続けていく決意を示しました。

【北関東・甲信越地協】
 群馬県民医連は、外国人医療相談会やフードバンクなどの活動に100人を超える職員が参加する綱領の実践を報告しました。
 埼玉県民医連は、敗戦直後の農民のための医療を源流に、各地に診療所を設立。医療生協の合併などを経て、埼玉協同病院のリニューアル予定などを紹介しました。
 新潟県民医連は、無産者診療所運動から始まる県連のルーツや、それぞれの事業所の成り立ちを動画で報告しました。
 山梨県民医連は、コロナ禍での世代継承のとりくみや、憲法や人権、綱領への職員の思いを集め、「70th」の文字絵をつくる動画を紹介しました。
 長野県民医連は、「未来への手紙」と題し、手紙をバトンに県内の事業所の職員が、次々とバトンを手渡す動画で表現しました。

【関東地協】
 茨城県民医連は、小規模県連ながら、全日本の役員やメディウイングの編集長を務めるなど、奮闘している職員を紹介しました。
 栃木県民医連は、75年の診療所開設から、現在の子ども食堂や地域の組合員活動、奨学生など次世代への継承を訴えました。
 千葉県民医連は、共同組織のみなさんといっしょに、うちわなどでにぎやかに70周年を祝う動画を紹介しました。
 東京民医連は、当初から公害など住民の健康のためにとりくみ、今後もPFAS汚染問題に全力でとりくむことを宣言しました。
 神奈川県民医連は、毎年の平和学校で沖縄や原爆被害を若手職員が学び、次世代の担い手として成長している様子を報告しました。

無差別・平等の医療・福祉実践を

【東海・北陸地協】
 富山県民医連は、安保法制反対・廃止のとりくみ以降継続している、スタンディング宣伝を報告しました。
 石川県民医連は内灘診療所が誕生した歴史を紹介。共同組織とともに、無差別・平等の医療・福祉にとりくむ決意をのべました。
 福井県民医連は、1990年に結成。75年の「民主診療所をつくる会」結成以降の病院や老健開設などの歴史を紹介しました。
 岐阜県民医連は、来年5月のみどり病院新築移転に向けて建設運動をすすめていることを報告。工事の様子を画像で示しました。
 愛知県民医連は、伊勢湾台風の救援活動から、みなと診療所、南医療診療所が誕生し、県連結成に至った歴史をふり返りました。
 三重県民医連は、53年の台風被害がきっかけで建設された診療所が原点。歴史の紹介と新築移転した津生協病院を披露しました。

【近畿地協】
 滋賀民医連はS「志(し)高く!困難に向き合う勇気を持って~」から始まる5文字(SHIGA)の県連の宣言を職員がリレー形式で読みあげました。
 京都民医連は「9条の碑」を建立した、まいづる協立診療所から。「平和憲法、守ろう!」と力強く宣言しました。
 大阪民医連は、耳原総合病院長の河原林正敏さんが堺市長選にもふれ、安心して住み続けられるまちづくりの決意を語りました。
 兵庫県民医連は、95年の阪神・淡路大震災にふれ「全国の連帯の力に励まされて歩んでくることができた。ありがとう民医連!」と。
 奈良民医連は、9月30日、第10回全日本民医連認知症懇話会の奈良主催開催を紹介。参加者・演題の募集を呼びかけました。
 和歌山県民医連は、平和アクションプランを作成し、事業所と医療生協の地区で憲法を守る実践を続けていることを報告しました。

【中国・四国地協】
 鳥取県民医連は3つの法人の歴史を紹介し、無差別・平等の医療の実践を未来へと、バトンをつなげると訴えました。
 島根県民医連は4つの法人のリレー紹介。開設当時の事業所の姿と現在の風景を示しながら、歴史をふり返りました。
 岡山県民医連は生存権実現の朝日訴訟を紹介し、県連としてかかわった歴史や、「いのちのとりで裁判」のとりくみをのべました。
 広島県民医連はヒロシマ平和ゼミナールを紹介。平和の「継承のとりくみ」のピースナビゲーターの役割をめざすとのべました。
 山口県民医連は後継者育成、地域にやさしさの種をまき、困っている人の力になるとりくみを続けると訴えました。
 徳島県民医連は県連でピースツリーを作成。これからも民医連綱領のもと、徳島からも団結してがんばると決意表明しました。
 香川民医連は各事業所がメッセージ。高松平和病院は「建て替えに向けて奮闘」、栗林(りつりん)公園前薬局は健康サポート活動をアピール。
 愛媛県民医連は70年前の診療所開設が当時の関西民医連、運営継続に四国民医連、北海道民医連と全国の連帯で実現したと紹介。
 高知県民医連は台風の水害支援が民主診療所建設の契機に。無医地区での健康診断活動や被爆者健診、公害闘争への参加を紹介しました。

【九州・沖縄地協】
 福岡・佐賀民医連からは全事業所名の紹介があり、民医連綱領の実現をめざし、全日本への結集、さらなる深化を呼びかけました。
 長崎県民医連は平和学校に参加した職員からメッセージ。長崎に来たら被ばく遺構めぐりに行こうと呼びかけました。
 熊本県民医連はジャンボリーで行った、豪雨災害被災地での健康相談会や香川民医連との交流会、学生食料支援活動などを紹介。
 大分県民医連は今年2人の医師が入職し、「たすきがけ研修」など、地協の力に医師研修成功の秘けつがあると紹介しました。
 宮崎県民医連は鹿児島県民医連の援助で診療所を開設し、2005年に県連結成。鉛中毒労災、振動病掘り起こし健診などを紹介。
 鹿児島県民医連は、奄美中央病院にある「地理的な離島はあっても人の生命に離島があってはならない」との石碑の前から、職員がメッセージを送りました。
 沖縄県民医連は米軍統治下の70年に診療所を開設。全国の支援と連帯が職員を励ましています。来年2月に沖縄で開く全日本民医連総会での再会を訴えました。

(民医連新聞 第1785号 2023年6月19日)

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