民医連新聞

2023年4月18日

憲法カフェ ぷち㉔ 自分たちの利益を守るための憲法改正?①

 衆議院の憲法審査会では、2022年から「国会議員の任期延長」というテーマを議論してきて、この3月末に維新・国民・有志の3会派が憲法改正条文案の私案をつくりました。この「国会議員の任期延長」という案は、国会議員の任期(衆議院議員は4年、参議院議員は6年)の終わりごろに大規模災害などが起きて選挙が実施できなくなったら困るから、憲法改正をして、そのような場合には特別に任期を延長できるような定めを加えよう、というものだそうです。
 でも、選挙ができないくらいの大規模災害が、ちょうど国会議員の任期終了(に伴う選挙)とぶつかることって、ほぼないのです。確率を計算すると1%未満と言われています。そんな確率の低いことのために800億円もかけて憲法改正をするって不合理ですよね。それに、これだけインターネット技術が発展しているのだから、投票制度自体を変えることで、被災地でも投票できるように対応するのが先ですよね。どうしても心配なら、任期が終わる前に選挙をやればいいですし、何よりそうした事態に備えて参議院の緊急集会(憲法54条)という制度も設けられています。
 いったい誰のための憲法改正なんでしょう。(明日の自由を守る若手弁護士の会)

(民医連新聞 第1781号 2023年4月17日)

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