民医連事業所のある風景 群馬/北毛病院 「地域にひらかれ、地域とつながり、地域に信頼される病院」をめざして
北毛病院は、吾妻川と利根川の合流地点に位置し、東に赤城山、北に子持山・小野子山、西に水沢山・榛名山を望む緑豊かな坂のまち、日本のまんなか渋川市にあります。
1951年に物置を借り受け、渋川協立診療所としてスタートしました。難しい疾患の診断や治療ができる最先端の医療機関ではありません。しかし、初療と多くの疾患のさまざまな段階での治療にいつでも対応できる最前線の医療機関として、70年余にわたって地域医療の一翼を担ってきました。
「地域にひらかれ、地域とつながり、地域に信頼される病院」をコンセプトに、2015年新築移転し、一般病棟50床、地域包括ケア病棟50床、療養病棟50床のケアミックス病院として再スタートしました。
北毛病院のめざす医療
*高齢化への対応
専門特化せず、内科、外科が主な診療科です。複数の疾患をかかえる高齢者の症状や状況を総合的に判断し、高齢者の暮らしを支える医療の提供をめざしています。
病院と診療所をあわせ190人ほどの訪問診療を行っています。地域の開業医や介護施設などの在宅を支援する病院として急変時の受け入れを行う病床、専門医療を行う基幹病院から在宅への中間点として受け入れを行う病床として機能を発揮しています。
*救急医療への対応
ベッド満床で救急車を断らないために156床分の設備を整えました。初期診療から二次救急の受け入れを行い、専門医療を行う基幹病院と連携しトリアージ的な機能で切れ目のないサービス提供の拠点をめざしています。
専門特化した医療機関が多く、機能分化された医療圏です。北毛病院は、一般的な急性期病院としての機能を持ち、急病による救急搬送では、医療圏内で一番の受け入れを行っています。
*小児医療への対応
小児科の少ない医療圏で、子育てをサポートする医療提供をめざしています。共働き世帯増加への対応として週3回の夜間外来、保健師がサポートする予防接種外来、そして入院といった一連の医療を提供しています。市との連携により開始した病児病後児保育園を病院の建物内に移転し、急な発熱などに対し保育園へのお迎えや受診を代行するなど、サポート体制を強化してきました。
職員が一丸となって
新築移転後、早期黒字化を達成しました。2020年には電子カルテ導入を成功させ、21年新型コロナウイルスワクチン接種では、まず先に困難な人にと在宅訪問接種にとりくみました。中小病院に厳しい診療報酬改定となった22年は、入院施設基準を維持するため迅速な対応がされました。“地域のために一丸となって目標にとりくむ”そんな職員に恵まれた北毛病院です。
(北毛病院 事務長 鈴木 由紀)