【要請書2022.07.12】医療機関・介護事業所における物価高騰への財政措置要望
2022年7月12日
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
厚生労働大臣 後藤 茂之 様
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
電気・ガス・燃料費は、2021年度から値上がりはじめ、2022年度はさらなる値上げとなっている。また、食材費等の値上げも相次いでいる。今後も、ロシアによるウクライナ侵攻、円安の影響等、複合的な要因によってさらなる値上がりが想定されている。
この間の光熱費の値上げは、すでに医療機関・介護事業所の経営を大きく圧迫するものとなっている。患者・利用者の療養環境を維持しなければならない医療機関・介護事業所の自己努力のみの対応は限界を超えており、このことは医療提供体制にも大きく影響する。
医療機関は療養担当規則上、療養の給付と直接関係のないサービスに関しての費用徴収は認められていない。価格への転嫁ができない医療機関での今般の光熱費等の急激な値上がりに対しては、補助金等、あるいは消費税5%への引き下げ等による緊急対策が必要である。
食材費の値上げによる費用増も深刻である。1994年以降食事療養費は据え置かれたまま、患者負担のみが連続的に増やされている中で、病院の給食部門の多くは赤字構造となっている。こうした状況も踏まえ、患者の食事療養負担額を増やすことなく、緊急に食事療養費の引き上げを実施すべきである。
また、介護事業所も原則価格転嫁はできず、利用者負担増で対応すべき課題ではない。
政府はコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」として、新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金を拡充し「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」を創設し、4月1日付けにて自治体への周知がなされている。その後、厚労省より介護サービス事業所・施設等(5月9日付け)、医療機関(6月7日付)、においても、地方公共団体の判断により臨時交付金の活用が可能との事務連絡が出された。しかし議会日程との関係もあり、ほとんどの地方議会では、こうした措置を踏まえての審議・対応は出来ていないのが現状である。この点についても、財政的追加措置も含めて医療機関・介護事業所への財政支援を行うよう、改めて徹底をはかるべきである。
【要望事項】
- 今般の電気料金等や物価の高騰に対して医療機関・介護事業所に対する補助金等あるいは消費税5%への引き下げ等による速やかな財政措置を実施すること。
- 食材料費の高騰に対して、28年間据え置かれている医療機関への食事療養費の引き上げを実施すること。その際、患者の食事療養負担額は増額しないこと。
以上
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