民医連新聞

2022年6月7日

いまこそ全国の経験を力に!! 多くの職員参加で成功を! 第15回共同組織活動交流集会 in山梨 オンライン

 コロナ禍の影響で、度重なる延期を余儀なくされていた第15回共同組織活動交流集会を、今年9月11~12日の日程でオンライン開催します。開催に向けて、これまでの経験や現地の思いを聞きました。(稲原真一記者)

コロナ禍で見えた共同組織の力

 コロナ禍が始まった2020年は、山梨を開催地に共同組織活動交流集会が行われる予定でした。しかし、先の見えない状況にやむを得ず開催延期。昨年も感染が収まらず、オンラインでプレ企画を行い、本番となる今年もオンラインでの開催となりました。
 「コロナ禍で共同組織の活動そのものが困難になった」とふり返るのは、山梨健康友の会事務局長で甲府健康友の会会長の長田正弘さん。班会や地域のサークル活動など、共同組織の活動の基本は「仲間と集うこと」です。しかし、当初は感染対策で密を避けるため、多くの活動を中止せざるを得ませんでした。
 一方で甲府健康友の会事務局の伊藤要子さんは「コロナ禍だからできた活動もある」と話します。共同組織と職員がいっしょにとりくんだ食糧支援事業「春の市」「冬の市」では、ひとり親世帯や高齢独居の困窮世帯など毎回100人以上が利用し、会員も大きく増えました。「職員も支援や健康づくり活動を通じて、困難を抱えた人が身近にいることや、地域を知る機会になった」と指摘します。またコロナ禍で友の会から感謝を伝える「折り鶴プロジェクト」は、多くの職員を励ましました。

活動交流を通じて発展と前進の機会に

 こうした経験を全国と交流する共同組織活動交流集会は、とりくみをすすめる大きな力になっています。山梨では第13回集会(16年、石川県)での学びを生かし、NPO法人「ゆいまる」を立ち上げました。有償ボランティアが電球の交換や庭の草取り、受診や買い物同行、お墓参り代行や薬の配達などを通じて住民の生活をささえ、地域に定着しています。
 昨年のプレ企画に参加した長田さんは、「オンラインだったが各地のとりくみに元気をもらった」と言います。コロナ禍で工夫して活動を再開している他県の発表に刺激され、「自宅でできる健康チャレンジ」を山梨でも企画し、今年の5月から開催。日常の活動も少しずつ再開しています。
 今年の本番はオンライン開催を考慮して、4000人規模の参加者をめざしています。長田さんは「大変なときだからこそ、全国の経験を交流し、活動を発展させる集会にしたい」と意気込みます。
 記念講演は元山梨民医連の医師でもある京都大学大学院教授の近藤尚己さん。山梨健康友の会の強化月間スタート集会でも「友の会は健康に効く」と共同組織の価値を語りました。現地企画は「山梨勤医協の倒産から再建のたたかいとその教訓(仮題)」になりました。民医連運動や綱領の発展に大きくかかわった出来事をあらためて学んでほしいと、当時の資料やかかわった人たちの証言を集めて動画にします。

地域・社会を良くするパートナー

 今回の集会は平和を考え、発信する機会にもしたいと長田さん。「健康で豊かに長生きする、その基本は“平和”であること」と語ります。3月11日には甲府駅頭でウクライナへのロシアの侵攻に反対する抗議行動を、職員と合わせて70人の参加で行いました。「ウクライナ情勢に便乗した軍拡や核共有論などの危険な流れにも、いっしょに抗議の声を上げていきたい」。
 また長田さんは「共同組織や民医連の目標は、政治抜きには語れない」と言います。伊藤さんも食糧支援を通じて見えた地域の困難に「その場の支援だけでなく、その次を考える必要を感じた」と言います。さまざまな支援を通じてつながった諸団体ととりくんだ署名活動で甲府市に訴え、高校生までの医療費無料化が実現。「草の根の運動が、地域をよくすることを実感した」とふり返ります。
 活動のひろがりから、「友の会へ入会する層が変わった」と話す長田さん。患者以外にも食糧支援や地域の活動からの入会者が増え、地域から共同組織の活動が求められていると感じています。
 「民医連は私たちの先輩の労働者や農民、地域住民が、医療従事者といっしょにつくってきた。この機会に職員にも共同組織をもっと知ってほしい。そして職場や地域を守る活動を、いっしょにとりくみたい」と呼びかけます。


《開催概要》
開催日:9月11日(日)~9月12日(月)
会 場:山梨と全日本民医連をホストとしたオンライン形式
参加費:無料

《集会テーマ》
「富士のふもとに思いをはせ、コロナ禍に立ち向かいつながり広げる共同の“わ”」
 ~憲法・平和・いのち・人権を大切に誰ひとり取り残さないまちづくりを!~ 

(民医連新聞 第1761号 2022年6月6日)

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