もんじゅ君のエネルギーのおはなし　第１６回　エネルギー基本計画と再稼働　文・絵　もんじゅ君

　ことしは動いている原発が０基のまま、新年を迎えたね。これって日本では1970年代以来、はじめてのことだったんだよ。

原発がなくてもやってこられた２年間

　この２年間、日本では原発でつくった電力はわずか１～２％ほどだったの。原発がほぼなくても2012年、2013年と電力が不足することもなかったんだよね。「原発がないと電気が止まる」「金融不安になる」などというのは結果的にはウソだったみたい。
　ところが、国がいま決めようとしているあたらしいエネルギー基本計画では「原発は重要なベース電源だ」と書かれているんだ。

基本計画＝国のエネルギーの方針

　エネルギー基本計画というのは、国のエネルギーのつくり方や使い方について基本方針をさだめた、大切なもの。今回のみなおしは震災以降はじめてのことなんだけれど「原発はだいじだから、安全が確認できればどんどん再稼働していく。もんじゅも核燃料サイクルもあきらめない」と書いてあるんだよ。
　福島の事故で、原発には安全性にも、廃棄物の処理方法にも問題のあることがあきらかになったでしょ。それでも推進していくといえちゃうセンスにはびっくりしちゃうね。

16もの原子炉が再稼働を申請

　だけど残念なことに、全国で７つの電力会社から、９原発・合計16基もの再稼働申請が出されているんだ。しかも多くが安全対策の甘いまま申請を出していて、必要な設備をそなえていないそうなの。
　「原発ひとつにつき審査に半年から１年かかる」といわれてきたから、まじめにチェックしていけばそうかんたんには「再稼働ＯＫ！」とは出ないはずだけど、手抜き審査もありえるのでは？と疑われているんだ。
　新しい安全基準だってちっとも万全じゃないといわれているのに、それさえクリアできない原発が動きだすとしたらこわいよね。
　もし規制委員会さんが再稼働にＯＫを出したら、そのときこそ地元の人たちの「いやだ」「困るよ」という声が大切になってくるね。