民医連新聞

2014年1月6日

日本国憲法25条マン 生存権、知ってるか!? 笑っちゃうけど 真剣! 本気で伝えるために 長野医療生協

 「剣は背負っても何も斬れない。得意技は街角でビラを配り、市民と語ること」。日本国憲法第二五条に基づく生存権を守る任務をおびて、この時代に待たれていたヒーローたちが登場した! それが25条マンだ。長野市で活動中の彼らに迫った。
 25条マンは長野医療生協の職員有志が変身した姿。彼らが姿を現すのは法人のイベントや街頭宣伝、集会、脱原発デモなど。「中の人」についてはトップ シークレットです。25条マンがひとたび街頭宣伝に登場すれば、普段はスルーしてゆく若者も立ち止まり、憲法の話だってできてしまいます。活動の軸は 「25条Project」(以下、プロジェクト)。このプロジェクトメンバーには日本国憲法二五条に基づいて国民の生存権を守る任務が与えられます。発起 人の小野高聰(たかとし)さん(事務)は「活動はおもしろく」と語ります。(矢作史考記者)

 25条マンは毎月二五日に長野駅前で行う「二五条宣伝」に登場します。トレードマークは真っ赤なコスチュームと生存剣(権)。
 街頭では、馴れ馴れしく握手を求めながら近寄り、話しかけます。「日本国憲法二五条を知ってるか?」。従来の宣伝に反応しないような学生や若者が笑顔で応じ、話がはずみます。
 子どもたちの人気も抜群。また、近所の商店街を歩けば「がんばれ」の声援もかかります。

なぜ25条マンは生まれたか

 「25条マンとは大親友」だという小野さんに聞きました。小野さんは二年目の事務職員です。民医連に来る前は大手企業で働いていました。
 長野医療生協の企画教育部に配属になり、そこで初めて憲法二五条について知りました。また、法人で事務局を担う反貧困ネットの「里庵(りあん)みんなの 家」で生活困窮者の支援や居場所づくりの活動にも参加。その中で「普通に生活していては見えない問題が地域にあった。貧困の実態を知り、生存権の大切さを 肌で感じた。知らせなければと思った」と振り返ります。
 「従来の宣伝スタイルで憲法を広げるのはけっこう難しい」と、考えに考えた結果、25条マンが生まれました。赤いコスチュームのレッドが二〇一二年八月 の脱原発宣伝で初めて“出動”してみると…街の反応は上々でした。
 その後、民医連が行った宣伝でも「大丈夫」なことを確認し、参加する場を増やしていきました。今では長野県連を代表する(?)キャラクターに。

恥を捨て全力で

 最初はレッド一人だけでした。しかしその後、25条マンは職場でも認知されるようになりました。昨年九月に、グリーン、イエロー、ブルー、ピンクが加わって五色のチームが実現。そして有志で「25条project」を立ち上げました。
 職員は誰でも25条マンに変身します。宣伝当日いきなり変身させられた人、寸劇で声を担当した人、関わった人すべてがプロジェクトのメンバーに。情報共有はLINEなどのツールを駆使。
 プロジェクトのルールがまたユニーク。「恥を捨て全力で行く」ことが明記されています。冗談の成分があっても活動は本気です。
 使命には「突拍子もないアイディアを出し続けろ」というものも。方言の導入など、おもしろく活動する模索は今後も続けます。
 25条マンに変身した経験がある職員は「コスチュームを着れば、高校生にだって話しかけられる」。入職一年目の職員は「素顔を出さない方がやりやすい」。これまで街で対話した人たちは三ケタにのぼります。
 小野さんは、「署名活動だけでは、見た目も重いし、やる方も勇気が要ります。従来の形に縛られず、世間の感覚も意識してアピールすることが大切だと思います」。

全国で分身を作ってくれ

 最後に、全国の民医連の仲間たちに25条マンからメッセージが。 「みんな、全国に俺たち の分身を作ってくれないか!? いままで語り合えなかった人たちとも、憲法で保障された『生存権』があると伝えてほしいのだ。長野でも25条 Projectのメンバーを増やしていくつもりだ。
 次世代がより良く生きるために、俺たちの運動が必要だ!」


 

【日本国憲法第25条】すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。(二項)国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

25条Projectのルール

第一条 憲法二五条をそらで言えるようになりやがれ!
第二条 恥を捨て、全力で行きやがれ!
第三条 集まれなくても、いつもMemberであることを自覚しやがれ!
第四条 私たちは仲間とつながっていることを忘れるな!
第五条 組織の秘密は守りやがれ!

(民医連新聞 第1563号 2014年1月6日)

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