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民医連新聞

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副作用モニター情報〈475〉 前立腺がん治療薬 イクスタンジカプセルでけいれん

 前立腺がん治療薬エンザルタミド(商品名:イクスタンジカプセル)で、けいれんが報告されました。
症例)60代男性。去勢抵抗性前立腺がん。けいれんの既往なし。併用薬は、ワーファリン、クレストール、バイアスピリン、メインテート、ニコランジル、メトグルコなど。イクスタンジ40mg4カプセル分1朝食後で開始。36日後にけいれんを発症。「がまんしていたがほてりもあった」と患者。けいれんは全身性で、横向きに寝ていると飛び上がるようなけいれんが瞬間的に何回も起きた。イクスタンジ中止し、ザイティガ錠250mg+プレドニゾロンに変更後、けいれんは起きなかった。
 去勢抵抗性前立腺がん(CRCP)は前立腺がんのうち、外科的または薬物による去勢状態で、かつ血清テストステロンが50ng/dL未満であるにもかかわらず、病勢の増悪、PSAの上昇があるものです。
 現在、経口薬では、イクスタンジカプセル、ザイティガ錠(アビラテロン酢酸エステル)が発売され、化学療法歴が無くても投与できるようになったことから、治療選択の幅は広がりました。
 本剤は非臨床試験の結果から、重要な副作用としてけいれん発作が示唆されていました。海外での第I相試験では、グレード3以上のけいれん発作が発現し、本薬のDLT(最大使用量を決定する因子)と判定されています。臨床試験においては、けいれんの既往または素因を有する患者は除外基準に設定されていました。
 2014年5月発売後、6カ月間の市販直後調査においてけいれん発作は9例報告があり、PMDAには2015年度13例の報告があります。特に、脳卒中の既往がある患者や、抗うつ剤、抗精神病薬などのけいれん閾(しきい)値を下げる薬剤との併用も注意が必要です。

(民医連新聞 第1641号 2017年4月3日)

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