民医連事業所のある風景 群馬/利根中央病院 地域になくてはならない病院として
群馬県内最低の医療事情のなか、「よい医療を地元で」を合言葉に、1954年に利根中央診療所を開設しました。その後、1962年に利根中央病院が開院し、地域になくてはならない病院となりました。2015年9月「健康づくりとまちづくりの拠点となる病院」をめざし、新築移転しました。
健康づくり活動がさらに前進
利根中央病院は地域唯一の総合病院として、地域医療の中心的役割を担っています。現在は253床でHCU12床・産科や小児科も含む一般病棟220床、回復期リハビリ病棟33床となっています。当院は“断らない救急”を掲げ、年間2000件以上救急車を受け入れ、医療圏の救急搬送の約45パーセントを占めており、受入不可率も5パーセント台となっています。また、災害拠点病院として、救急外来の設備拡充とヘリポートを設置しました。尾瀬や谷川岳などの山間部から週1回のペースでドクターヘリ等で搬入されています。
外来は毎日約760人が利用し、多い日では1000人を超えます。組合員が玄関ボランティア・案内ボランティアとして活躍し、患者にとっても職員にとっても頼もしい存在です。
組合員の“足の確保”として、自宅の玄関から病院の玄関まで送迎する通院支援を行っています。新病院の移転に伴い登録者は急増し2000人を超え、毎日約60人の方が利用しています。
「保健委員」を中心に利根沼田地域の医療の向上と健康増進の活動にとりくんできましたが、2014年には国際HPH(健康増進活動拠点病院)ネットワークにも加盟しました。
待望の組合員ホール「きらめき」を病院内に設置したことで、マタニティーヨガやフラダンスなど、健康づくり活動がさらに前進しています。
理念を実践し、連携を深めて
病棟は7病棟で、253床中、個室は84床あります。これまでは感染対策など困難が多々ありましたが、個室が増えたことにより、大きく改善できました。
どの病室からも山や川が見渡せます。沼田の河岸段丘を見ることができ、「素晴らしい療養環境」と喜ばれています。手術室も5室設け、そのうち1室はバイオクリーンルーム(BCR)となっており、整形外科の手術に最適で、医師からも安心安全な手術ができると好評です。
2015年度から総合診療科医師が5人体制、今年度は8人体制となって総合病院の中での総合診療科の役割発揮が期待されています。学生からも注目を集め、今年1月~7月まで2週間ごとに2人ずつ群馬大学の学生が実習に来ています。その他の科もこの地域にはなくてはならない診療科ばかりです。医師をはじめ、全職員が地域の期待を一身に受け、日々奮闘しています。
これからも当院の理念である「安心と安全・参加と協同、患者中心のチーム医療」を実践し、組合員のニーズに応え、地域の医療機関や行政と連携を深めて、利根沼田地域の医療・介護・福祉・健康づくりに貢献していきます。
(利根中央病院 事務長 片山 忍)