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ニュース・プレスリリース

民医連事業所のある風景 大阪/うえに生協診療所/「うえに」の名前を受け継ぎ 地域の医療・介護・福祉の拠点として

 うえに生協診療所は2002年10月、うえに病院(現コープおおさか病院)が地域の高齢化など環境変化への対応や、築40年あまり経過した施設の老朽化等により区外へ新築移転する2カ月前に中央区玉造に開設されました。病院移転によって外来通院が困難となる地域の高齢の組合員の要望に応えること、それは新しい診療所にとってもこれまで病院が築きあげた財産と歴史ある「うえに」の名前の2つを受け継ぐことを意味しました。以来13年間、金谷邦夫所長を中心に中央・天王寺地区唯一の医療福祉生協の診療所として組合員の医療要求に応えてきました。戦後の「上二診療所」時代から数えると実に70年近くもその名を今に残しています。

歴史ある玉造の地で

 診療所のある玉造界隈は大阪城の南東、「玉造門」方向に位置し、400年前の大阪夏の陣で真田幸村が構築した出城、「真田丸」があったとされる場所からもそう遠くはありません。玉造の由来は古墳時代に勾玉を製作する玉造部が置かれたことによります。また、大阪におけるキリスト教布教の中心地であり、カトリック大阪大司教区で多くのミッションスクールがあります。JR大阪環状線の内側に位置する数少ない民医連事業所の1つで交通の便が良く、周辺には有名な私学や公立校がひしめく文教地区でもあります。大阪府庁や近畿厚生局など官公庁街も徒歩圏内です。

働く世代へのアプローチが課題

 内科を中心に糖尿病の専門外来の他、泌尿器外来、整形外科外来を行っています。通所リハビリテーション事業所を併設し、訪問リハビリテーションにも積極的にとりくんでいます。強化型在宅療養支援診療所を届け出ており、都市部では比較的広い範囲に30件前後の在宅管理件数を有し、年間10件近い在宅看取り実績があります。周辺には中小事業所も多く、組合員健診とあわせて毎月200件近い健診を行っています。今後は市内でもっともファミリー層の増加している中央区でこそ、働く世代との関わりをさらに重視していく必要があります。地域の住民組織「玉造地域活動協議会」に医療機関として唯一参加し、毎年小学校講堂での健康講座や健康ハイキングなどで組合員だけにとどまらず、「地域まるごと健康づくり」実践の役割を果たしています。

中央・天王寺地区の医療・福祉・介護の拠点として

 来年2月には隣接地に法人内の介護事業所(居宅介護支援、訪問看護、訪問介護、通所介護)が新築移転してくる予定です。中央・天王寺地区における地域包括ケアの実践のために、診療所が名実ともに中心的役割を果たすことが求められています。後継所長問題など山積する課題はありますが、将来展望を見失うことなく、医療・福祉・介護の拠点として地域医療を実践し続けています。
うえに生協診療所 事務長 中村 圭二郎)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2015年10月号.No.518より