事業所のある風景

2015年8月17日

愛知/岩倉小規模多機能ホーム・ちあき 希望と安心のまちづくりを

 愛知県岩倉市は名古屋市のすぐ北に位置する人口4万8000人、高齢化率約23パーセント、中学校区が2つしかない愛知県では1番小さな市です。
 2006年の第3期介護保険事業計画で中学校区に1つずつ小規模多機能型居宅介護事業所を作ろうという計画に手あげをし、健康友の会岩倉支部の皆さんと2年間かけて場所探しをしました。2009年5月、社会福祉法人尾張健友福祉会の3番目の介護事業、初の地域密着型事業所として、「365日24時間、在宅での安心を届けます」をスローガンに、岩倉小規模多機能ホーム・ちあきを開設しました。

ふれあいを大事に切れ目ない支援を

 主要の駅から徒歩3分、城下町である古い街道沿いに建てられた大正時代の商家を改修したこのホームは県の「愛知まちなみ建築賞」も受賞しました。地域と関わりながら歩んでいく小規模多機能事業には恵まれた場所に位置し、地域のお祭りの休憩所となったり、町内の子どもたちの絵が飾られたり、町内の方と一緒に流しそうめんを楽しんだりと、ふれあいを大事にした運営を進めてきています。
 日本の桜百選に選ばれた「岩倉五条川の桜並木」がすぐ近くにあり、桜の季節になると大勢の方が桜見物にやってきます。毎年4月には、健康友の会はじめ諸団体が一緒にバザー、署名活動にとりくむことも恒例となりました。
 またホームには、市の中心市街地活性化の拠点になるようにと地域コミュニティー事業「まちの縁側」が併設され、介護保険に関係なく、誰でも気軽に立ち寄っていただけるよう工夫されています。蔵を利用した「縁側ギャラリー」、和室を利用した「集いの間」では囲碁クラブの利用、「縁側サロン」では、趣味の教室や介護者の会などが定期的に開催されていて、ふらりとコーヒーを飲みに立ち寄られる方もあります。市と協賛してもちつき大会や「昔の遊び伝承会」などでは子どもたちの参加もあり、世代交流が生まれます。
 小規模多機能居宅介護の実践は住み慣れた自宅や地域で、その人らしい在宅生活を続けられるように、介護の必要な高齢者を、1年365日、切れ目なく支援することが1番の目標です。

ホームは「生活する場所」

 ホームは介護をする場所というよりは、生活をする場所として捉え、家族に代わって介護をする人がいるという設定です。1人暮らしの認知症高齢者が多く、その方たちをサポートしていくためには、フォーマル、インフォーマルを混ぜ合わせ、言わばなんでもありの柔軟で変幻自在さが求められていきます。
 法人理念である「誰もが人としての尊厳が守られ、その人らしい生き方が尊重される地域福祉の向上と希望と安心のまちづくりをめざします」を実践できるように活動を続けています。
岩倉小規模多機能ホーム・ちあき 所長 村山 真理子)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2015年9月号 No.517より

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