事業所のある風景

2015年1月15日

北海道/勤医協中央病院 さらなる役割発揮をめざして

 勤医協中央病院は1975年、札幌市北東部に広がる「たまねぎ畑」の中に誕生しました。
 「全道に民主的医療を推進するための総合センター病院を建設しよう」という北海道勤医協の長期計画にもとづき、全道民の支援を受けて建設されました。

新病院を建設

 開院から38年、施設や設備の老朽化もすすみ、時代の変化に対応した急性期医療機能の整備が求められるなか、700メートル東に離れた場所に450床の新病院を建設し、2013年5月に移転しました。
 建設にあたっては、患者にとって快適な療養環境と、職員が働きやすい効率的なレイアウトを追求するとともに、施設面では自然光を取り入れた明るい院内や「癒しの空間」を重視しました。
 新病院開院から約2年、当院は民医連理念を実践する急性期病院として質・量ともに大きな前進を築いてきました。

無差別平等の医療実践つらぬいて

 救急車による搬入数は旧病院時代に比べ年間4000件以上増え、 臨時手術も3割増えています。「断らない救急」を合言葉にとりくみ、また「救急隊との合同症例検討会」を定期的に開催するなど、信頼を広げています。8軒 目で中央病院にたどり着いた事例、薬物中毒による搬送事例の急増など、救急の現場からも“生きづらい”社会の実態が見えてきます。
 がん医療の分野では、2013年に「北海道がん診療連携指定病院」の指定を受けました。
 健康増進や生活習慣・環境の改善などの一次予防から、早期発見と診断能力の向上、外科的治療、化学療法、放射線治療、緩和医療、リハビリテーション、在 宅医療まで、総合的な活動をすすめています。
 無料低額診療を利用して化学療法や放射線治療を受けることができたがん患者もいます。無差別・平等の医療実践をつらぬいています。

全職員が議論してつくりあげた基本方針

 「地域中核病院として、急性期医療とがん診療、そして専門的医療 を柱に、患者さんの要求に応える医療・福祉の連携を推進する」「災害時には病院をあげて地域と住民を守る」「民主的な集団医療の実践を通じて、人間の尊厳 および権利を尊重できる医療人を育成する」「無差別平等の医療実践をめざす」―新病院建設に際し、全職員の議論でつくりあげた基本方針です。
 4月には14人の新卒研修医をはじめ、多くの新たな仲間を迎えます。
 住み慣れた家や地域で安心して暮らせるまちづくりにむけ、急性期病院としてさらなる役割発揮をめざします。
勤医協中央病院 事務長 佐藤 秀明)

「民医連事業所のある風景」 『民医連医療』2015年2月号.No.510より

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