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2014年9月1日

緊急レポート 沖縄・辺野古/ジュゴンの食み痕があった!

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海草が生い茂るなか、道のようになっているのがジュゴンが食べた痕。ここは、埋め立て予定地だ

 アメリカ独立記念日の七月四日、私は辺野古の海に潜った。
 名護市辺野古沿岸では米軍新基地建設に向け、埋め立て予定地のボーリング調査や米海兵隊基地キャンプ・シュワブの建物取り壊しなどが、日本政府の手によって急ピッチで進められていた。

巨大なハマサンゴも

genki275_15 辺野古沖の平島の南に隣接するリーフ(珊瑚礁)内に、高さが三メートル以上はありそうな巨大なハマサンゴがあった。
 これほど大きなサンゴは初めて見た。「ここまで成長するには四~五百年の歳月がかかっている」とボートを出してくれた「平和丸」の仲本興真船長は言う。
 近くには別のサンゴ群が一〇メートル以上にわたって生えていた。これは昨年、志半ばで亡くなった元ヘリ基地反対協議会共同代表の大西照雄さんが発見したもので、「大西サンゴ」と呼ばれている。
 大浦湾側に移動し、キャンプ・シュワブのビーチ近くで潜水すると、海草藻場が見えてきた。砂地にびっしりと生えた海草の「草原」に、くっきりと食み痕が道路のように続いていた。ジュゴンだ。
 絶滅危惧種ジュゴンの生息環境を調査している「北限のジュゴン調査チーム・ザン」代表の鈴木雅子さんは「辺野古沿岸は嘉陽(名護市)の一〇倍の藻場があ り、ジュゴンの回遊ルートを南北に繋ぐ貴重な場所。米軍の訓練がなければ繁殖地となる大事な海です」と語気を強めた。

ジュゴン育む海を守るために

 食み痕を撮影して海上に浮上すると、五〇メートル先のビーチで休日を楽しむ二〇歳にも満たない米兵たちが、バーベキューやビーチバレーに興じ、歓声を上げていた。人気のあるビーチのこんなに近くまでジュゴンが来ていたなんて、驚きだった。この地点は埋め立て予定地だ。
 前日にも地元の琉球朝日放送は、辺野古沖で悠々と泳ぐジュゴンの姿を見つけ、放映した。確実にこの海域で子を育て、平和に暮らすジュゴンの親子がいる。
 一方、沖縄防衛局の環境影響調査報告には、工事は「ジュゴンに及ぼす影響は最小限にとどめるよう十分に配慮されている」と記されている。さらに同防衛局 はジュゴンが「辺野古の海草藻場を利用する可能性は小さい」としている。
 鈴木さんは「ここを埋め立ててしまうことは、ジュゴンの次の世代を育む海を奪うこと。絶対反対です」と言った。
 日本政府は七月二七日、侵入禁止海域のブイやフロートの設置を始めた。


募金のお願い

 辺野古新基地建設に対する海上抗議行動や、海のすばらしさを感じてもらう乗船ツアーで活躍してきた平和丸が改修されます。国が工事強行をねらって侵入禁止海域を拡大するなどしており、装備を改良する必要があるためです。
 ご協力お願いします。
【募金先】ゆうちょ銀行17000─1378241
ナカモト コウシン

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