民医連新聞

2014年9月15日

全国から支援者が向かう 被害地域は 診療圏 広島市 豪雨・土砂災害

 八月二〇日、広島市内で起きた土砂崩れで七三人が亡くなりました。この中には広島医療生協の組合員や家族二三人も含まれています。被害地域は広島共立病院から数kmほどの診療圏です。八月三〇~三一日、週末を利用し全国から民医連職員が駆けつけました。

 二日間でのべ約六〇〇人が活動。はるばる東北からも。宮城・坂クリニックの豪家(ごうけ)淳さん(事務)は「職場で呼びかけがあり、ぜひと手を挙げました。東日本大震災後の入職ですが、全国から応援に来てくれた話は知っています。自分も役に立ちたいと思っていた」。
 被災地域を走る可部線も途中駅で運休。支援者らは病院からバスや自家用車などで現地へ。泥出し作業と、地域訪問に分かれて働きました。

■地域の3割が組合員

 被災地域の約三割の世帯が組合員。「三〇年来のつきあいだった組合員さんも亡くなって…」と組織部長の岡吉一男さんは語ります。
 外からの支援を受けながら地域を歩く今回のような活動は未経験。訪問前は「何をやれるのか…」と不安顔だった組合員さんも、訪問した先々で感謝され、全 国の支援者を目の当たりにし力を得ています。「職員も励まされています。支援をきっかけに『地元もがんばろう』と」(岡吉さん)。九月八日までで全国支援 は一〇〇〇人を超えました。

■旧病院を避難所に!

 九月一日に新病院に引っ越した広島共立病院(一九九床)は旧病院を避難所に使うよう広島市に申し出。災害救助法に基づく公的な避難所として運営されることに。避難所となっていた小学校も再開できました。
 村田裕彦院長は「避難所を訪問し、様子を見て高齢者など弱者が長く居られる環境ではない、と思いました。旧病院は介護事業などに使う計画はありますが、その前に役立ててもらいます」と話しています。
 市は避難者が入居する公営住宅などを確保していますが、片付けなどで自宅近くに居たい人もおり“病院の避難所”は歓迎されています。
 また三一日は全日本民医連の藤末衛会長も広島へ。職員や支援者を激励し、災害現場や避難所を視察しました。

(木下直子記者)

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