民医連新聞

2014年6月16日

かあさんの「ほのか」な幸せ リターンズ 「ぴっかぴかだよ1年生」の巻(下) 文:西村 理佐

 入学式の感動ムードのまま、間もなく授業が始まった。帆花は「訪問籍」で、週3回自宅で授業を受け、そのほか行事の時などに登校する形を選択した。授業 はベッドからおりて床にマットを敷いて寝転んだり、椅子に座ったり、先生の膝に乗ったり、アクティブに移動し、内容も盛り沢山だ。工作をしたり、楽器を弾 いて歌ったり、お菓子を作ったり。
 今は運動会の練習にあけくれているが、これまではどんな場面でも“みそっかす”になることが多かった娘が、障害物走など三種目に参加するそうで、母はと にかく、面食らっている。しかし当の本人は、始めは引きつり顔で涙を流しながらも食らい付き、坂道を滑ったりエアートランポリンに揺られたりして、すぐに 楽しんでいる。“学校”がチャレンジする機会や環境を与えてくれたことで、これまでの“できない”は“やらず嫌い”“やらせずじまい”だったのだと気付か された。みるみる逞しくなっていく娘の姿に驚愕する私に、「これが帆花さんの持っている力ですよ」との言葉を担任の先生に頂き、胸がいっぱいになった。
 学校生活は“脱箱入り”宣言。活動することで“自分”を感じ、外の世界を認識することで、彼女の中の様々な回路が次々と繋がって、身も心も健やかに逞しく育っていってくれるだろう。

(民医連新聞 第1574号 2014年6月16日)

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