民医連新聞

2002年11月1日

「宣言」は今後の活動となる/ 兵庫・訪問看護ステーション友愛 日比優子(所長)

 「医療・福祉宣言」を作らないといけないらしい…。ようやく動き出したのが昨年11月の職場会議でした。「誰のために、何のために、どんな思いでがんばっているのか」で意見を出し合いましたが、それを所長が文章にする段階からすすみませんでした。
 今年2月全日本民医連総会に参加し、民医連の医療福祉宣言を一字一句まで討論している姿から、宣言の持つ意味や役割を学びました。何とかして自分たちの 活動の羅針盤を作ろう! と決意。ローテートで職場構成メンバーが変わったので、あらためて八月の職場会議で話し合いました。医療改悪が実施された場合、 地域での生活をどう守るか、訪問看護の役割は何なのか、など事例を通し自分たちの思いを出し合い、それを「キーワード」として文章化していきました。その 根底にあるものは、「訪問看護が好き!」という全員の思いでした。
 やっとの思いで「宣言」が文章化できたとき、「あれだけの思いがたったこれだけ?」とあぜん…としました。その時気づいたのです。「宣言づくり」の最大 の目的は、文章にすることではなく、職場の中で自分たちの価値観や看護観を出しあい認めあう、そのプロセスなんだと。個々の仕事に対する姿勢があらためて 言葉で確認できたとき、スタッフひとりひとりが頼もしく感じられ、「宣言」が今後の活動の糧となることを確信しました。
 できあがって、さあどこに掲示しようか…。こんなに愛おしい「宣言」は「飾るもの」ではありません。日常業務に忙殺される毎日のなかで、ふと自己を振り 返る意味で、トイレに貼りだしました(写真)。そのつどひととおり読んでしまうため、トイレ時間が多少長くなってしまいましたが。
 次は、この「宣言」をどう名刺代わりに使っていくかが課題です。内外共に「生きた宣言」にするための方策を、頼もしい仲間と考えていきます。

わたしたちの医療・福祉宣言

“言わずして  何もおこらず
動かずして  先はみえず
つくさずして  愛はめばえず
心もたずして 道はひらけず”

訪問看護が大好きなわたしたちは
利用者や介護のみなさんの「生きる
力を」糧にして「充実した生」への援助
をめざして次ぎの宣言を医します


♪訪問看護の主人公は利用者と介護者
 それぞれの人権を尊重した援助を追及します
生きていてよかった……と思える援助を展開します

♪医療の専門家として援助の選択
科学的で安全・的確な技術を提供します
応用を大切にした技術の研鑚に務めます
ミストラブルへの真摯な対応をします

♪社会のなかでその人らしく暮らすと言うこと
「自立」を大切にし、福祉サービスとの連携を図ります
保健医療福祉のネットワークで住みよい町ずくりをしていきます
「命と金」を天秤にかける情勢への闘いを強めます

“そのままだまっていては
なにもおこらないよ
さあ 立ちあがって
行動をおこそうよ”

(民医連新聞2002年11月1日/1291号)

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