もんじゅ君のエネルギーのおはなし第１３回　ふくいち君４号機の燃料取り出し、大丈夫？文・絵　もんじゅ君

　ふくいち君４号機プールからの燃料取り出しがいよいよスタート。ハラハラですだよ。今回は燃料プールについてご説明するね。

プールに保管されている使用済み核燃料

　日本では、使用済み核燃料の多くを原発の建屋にある専用のプールで保管しているの。
　というのは、建前では、使用済み核燃料は「いつか六ヶ所村の再処理工場で再処理してリサイクルする」ってことになってるから。
　といっても六ヶ所村はもう２０回も（！）完成が延期されているから、とても実現しそうにはないんだけど、その日を夢みて、使用済み燃料をそのまま保管してるんだ。そのゴミは増えつづけて、そのうち全国の原発のプールが満杯になるといわれているんだよ。

人が死んでしまうほどの放射線

　じつは使用済み核燃料というのは、新品のものよりずっとたちが悪いの。毒性のつよいプルトニウムもふくむし、高熱を発するし、ちかづくだけで人が死ぬほどの強い放射線を出すんだ。熱や放射線をさえぎるために、水を張ったプールに沈めて保管してあるの。
　水で冷やすというのは弱点でもあって、ふくいち君では事故で電力をうしなったために水をポンプで循環させられなくなり、温度が上昇してしまったんだ。「日本では、使用済み燃料をかんたんなプールに入れて置いてある。ハイリスクだ」というご意見もあるんだけど、いまのところ改善されていなくて、全国の原発でそのままなんだよ。こわいよね。

取り出した燃料に傷があったら?!

　ふくいち君の１～３号機ではまだまだ廃炉のための直接的な作業はできない状態なんだ。だから今回、線量も低くてやりやすい４号機のプールから作業がはじまるんだよ。
　とりだし作業のために専用クレーンも設置されたし、燃料の上に散乱していた目立つがれきはすっかりとりのぞかれているけれど、まだちいさなものは残っているんだ。取り出した燃料にちいさなキズがあれば、そこから放射性の希ガスが漏れる可能性も指摘されてるんだよ。どうかぶじにすすんでほしいな。