民医連新聞

2013年10月7日

とっておきの出会いを見つけただにー!! 第35回民医連全国青年ジャンボリーin長野

 九月七~九日、長野県白樺湖(立科町)で第三五回民医連全国青年ジャンボリーが行われ、約七七〇人が参加しました。全国ジャンボ リー(JB)は一九七二年に「一人ぼっちの青年をなくそう」と始まりました。青年職員が企画・運営し、全国の仲間と平和や人権を学び、交流します(矢作史 考記者)

 今回のテーマスローガンは、「まつりんご祭りするしない おいでなんしょ信州へ 見つけにえべさ とっておきの出会いだに~」。
 開会式で全日本民医連の長瀬文雄事務局長があいさつ。「民医連は今年で六〇周年を迎え、職員の過半数が三五歳未満の青年です。学び交流して、いのちの平 等の理念を引き継いでほしい」と訴えました。韓国の緑色病院から参加した三人の青年もあいさつしました。

年齢・職種の垣根ない交流

 「県連も職種も関係なく盛り上がろう」と呼びかけたのは実行委員長のすーさん。「いつジャンボリーするの? 今でしょ!」とギャグも飛び出しました。
 全国実行委員会から、参加者たちに「『こう』動提起」。変化する社会情勢の中で、自分にできることを考えていく「考」。仲間と想いを共有する交流の 「交」。JBで学んだことをきっかけに、全国でジャンボリー活動を広める「広」。「考」、「交」、「広」の三つの「こう」を意識して参加してほしいという 願いです。
 開会式の終わりは「班員探しゲーム」で会場が盛り上がりました。今回のJB参加者は七〇班に分かれ、三日間行動をともにします。「○○班はここ!」と必 死に声を掛け合い、班員を探しました。班でまとまると最初のSGD(スモールグループディスカッション)で、ジャンボリーネームを決めました。
 夕食後の交流会はウオークラリーを行いました。参加者たちはホテル内に隠された問題を見つけて解いていきます。「実行委員長のすーさんの職種は?」とい う問題に「すーさんといったら社長だろ?」「社長は職種じゃない!」という会話も。
 二日目はフィールドワーク(FW)。長野ならではの切り口で、医療や貧困、平和、TPP問題などを学び、民医連職員として何ができるかを考えました(別項)。
 夜の大交流会は雨のため急きょ、室内の開催に。実行委員会は急いで準備をすすめました。「人間知恵の輪」、「○×クイズ」に続き、一番の盛り上がりを見 せたのが寸劇でした。実行委員長率いる長野県民医連の青年たちが悪役ショッカーに扮し、JBを壊しに来るというストーリー。
  そこに登場したのがご当地ヒーローの25条マン(憲法二五条を語るヒーロー)。生きる権利を保障する生存剣(権)で一太刀浴びせ、ショッカーは改心。その 後25条マンは参加者と、県歌「信濃の国」に合わせてダンスをしました。

仲間と同じ志をもって行動

 最終日。参加者たちはSGDで、JBで学んだことや考えたことを振り返りました。この日は九月九日。「9の日行動」として、脱原発や憲法を守る思いがプリントされた風船を飛ばしました。
閉会式では、平和の願いを寄せ書きした横断幕を現地実行委員会に贈呈。最後に現地実行委員会を代表して事務局長のあいちゃんが、 三日間を振り返って訴えました。「FWに参加してもらうことで、民医連綱領や憲法、人権が学べるコースをと考え、企画しました。いっしょに学ぶ中で、同じ 悩みや志をもった仲間がいると気づいたと思います。全国の仲間とのつながりを感じながら、今後も自分たちにできることは何かを考えていってほしい」。
※文中のジャンボリーネームは男性、は女性。

 参加者の声 「Fwで日本に貧困があることが分かった」まりー(東京、事務)。「初めて参加した。なじめるか不安だったけど、みなが優しく接してくれた」トム(福岡、看護師)。


 FWは九コースに分かれ、学びと同時に、信州の自然を満喫して楽しく交流できるものでした。

731部隊・戦争平和学習/フルーツ狩り
 731部隊は戦争中、細菌兵器開発のために中国で人体実験を行いました。講師の久保田昇さんは、元隊員の越定男氏から当時の話を聞きとり、その実態を広 める語り部。「越さんは三〇〇人の丸太(被験者)を解剖したと言った。普通の精神状態ではできないことだった」と生々しく語りました。また、この行為の非 人道性はアメリカの原爆投下、ナチスのユダヤ人大虐殺に並ぶ、と強調。「今こそ平和を学び、憲法を守ることが大事です」と訴えました。
 SGDでは「久保田さんの話を、今度は私たちが語らなければ」「社会にも目を向け、選挙にも行かないと」などと話しあう班もありました。

TPPから私たちの生活を考えよう
 原村の元村議・菊池敏郎氏が講演。食の安全や国民皆保険が脅かされることを学びました。

原村(はらむら)から長野県の医療を考える
 高齢者を支援する独自制度を持つ原村の清水澄村長が講演。必要な医療制度とは? を考えました。

反貧困講演・そば打ち体験
 社会保障制度や貧困に陥ったケースを学びながら、KJ法を使って班でまとめました。

満蒙開拓・伊那谷道中かぶちゃん村
 農業開拓を理由に満州に移民した満蒙開拓団。当事者の生々しい話を聞き、資料館を見学しました。

ハンセン病学習・やまぼうし
 ハンセン病元患者から、偏見や差別の歴史を学び、命の平等について考えました。

自然の中で学び考えよう ~脱原発と自然エネルギー~
 中川村の曽我逸郎村長と、自然エネルギー企業の原亮弘社長が講演。発電実験も行いました。

松代大本営・真田邸
 太平洋戦争末期、日本の敗戦が濃厚になっても本土決戦を想定し、皇居などを移すために地下に作られていた松代大本営で、戦争の怖さを学びました。

安曇野ちひろ美術館・大王わさび農場
 画家・いわさきちひろの息子の松本猛さんが講演し、戦争や物の価値について考えました。

(民医連新聞 第1557号 2013年10月7日)

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