民医連新聞

2013年9月16日

もんじゅ君のエネルギーのおはなし 第9回 世界を見ると、原発は時代おくれ!? 文・絵 もんじゅ君

 ふくいち君の汚染水が気になる今日このごろ、みなさんお元気ですか? 政府はようやく東電さんまかせではなく、国費470億円を出してみずから対応すると決めたみたい。
 経産省は「(1)地下水を井戸でくむ、(2)地下に壁をつくる、(3)汚染水をきれいにする装置を強力にする、という3つの方法を来年9月から実行にう つせるよう準備する」といっているの。だけど、どのやりかたにもうまくいくかどうか疑問があって、批判も多いんだ。

原発はほんとに輸出できるの?

 安倍政権になってから、日本は原発の輸出にむけてまえのめり。ことし5月には、アラブ首長国連邦やトルコと輸出の前提となる原子力協定をむすんだし、そのほかインド、ハンガリー、ウクライナなどにも「日本の原発はいかがですか?」とセールスしているの。
 輸出にむけて「ちゃんと国内でも使ってるんです」とアピールするためにも、日本各地の原発を再稼働したいんだろうね。
 だけどほんとうに、原発を輸出することはトクなのかな? そして、世界ではそんなに原発の需要はあるのかな?

事故をおこせば多額の補償も

 2012年、アメリカのカリフォルニアでサンオノフレ原発が事故を起こしたんだ。住民の不安の声もおおきくて廃炉が決まり、事故原因となった部品をつくった三菱重工業は、140億円もの賠償を求められているの。
 原発は1基建てるのに5000億円ほどもかかるから、たしかに一時的な売り上げはおおきいのね。でも事故やゴミ処理のことまで考えたら、とてもリスクがおおきいんだ。
 そもそも、世界の原発建設は1980年代がピークだったんだよ。アメリカのスリーマイル島原発や旧ソ連のチェルノブイリ原発の事故をみて、それまで原発をつくってきた国の多くが新設をひかえるようになったの。
 欧米では、ずっとまえからもう原発増はトレンドじゃないんだね。そんな時代の流れにさからって、日本は事故を起こしながら原発を輸出しようとしているんだよ。

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もんじゅ君/高速増殖炉。エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られ、ツイッター(@monjukun)のフォロワーは10万人超。著書に『おしえて!もんじゅ君』(平凡社)など。公式サイト:http://monjukun.com

(民医連新聞 第1556号 2013年9月16日)

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