民医連新聞

2013年8月19日

医の倫理、問われる問題として 旧日本軍の遺棄化学兵器 被害者検診報告会ひらく

 七月二八日、全日本民医連は、表記の報告会を京都で行い、弁護士など一四人が出席しました。
 第二次世界大戦の敗戦で、旧日本軍は中国や日本に化学兵器を遺棄しました。これを知らずに掘り起こした住民たちが、曝露する事件が中国のチチハルなどで 発生。十分な賠償も治療の保障もなく、後遺症に苦しむ人たちを、民医連は検診などで支援しています。
 報告会はこれまで行った五回の検診から、明らかになった成果と課題を深め、今後の運動につなげる目的で開きました。
 内科・神経内科的特徴、神経心理学的評価の結果などを四人が報告。被害者の状態は、第一回検診では気管支炎、免疫機能の低下傾向、高血糖、発汗・下痢・ 羞明などが著明でした。脂質異常症の悪化や自律神経障害、視覚障害、高次脳機能障害などの症状も検診を重ねるにつれ発見。感覚障害、運動障害などもありま した。
 遺棄化学兵器問題は日本の医学会が戦争責任にどう向き合うか、医の倫理の問題であり、被害者に寄り添った活動を続けようと確認。一〇月に行う学運交でも報告を予定しています。

(民医連新聞 第1554号 2013年8月19日)

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