民医連新聞

2013年8月5日

もんじゅ君のエネルギーのおはなし 第6回 ふくいち君には問題が山積み 文・絵 もんじゅ君

 暑い日がつづくけど、ニュースをみてると背筋のひんやりするしらせも多いみたい。
 まずは参院選の結果。自民党さんの大勝でますます原発推進へすすみそうでこわいなってことのほかに、52%、戦後で3番目だという投票率の低さにショックをうけたよ。
 これは無党派層とよばれる人たちがあまり投票所に足を運ばなかったということ。つまり、もとから投票する政党のきまっている人たちだけが選挙にいって結 果が決まっているんだよね。「みんなで決めている」ようにみえて、参加していない人が多いんだねぇ。

選挙の翌日に、海への汚染水流出が発覚

 参院選の翌22日には、東電さんが「ふくいち君の汚染水が海にもれていました」と発表した の。ほんとなら重大ニュースなのに、開票で新聞やテレビがにぎわっていたからそこまではおおきくとりあげられなかったの。もしこれが選挙前ならすこしは原 発問題への関心も高まったんじゃないかと思うし、なんだかタイミングよい発表にも思えちゃうね。
 汚染水の流出は国の原子力規制委員会さんも以前から指摘していたことで、これにはさすがに政府も「東電くん、ちょっと発表が遅いよ。しっかりして」と注意したんだよ。
 海側の地面を水ガラスでかためて壁のようにして流出をふせぐ、といっているけれど、専門家は「けっきょくその壁の両脇から汚染水がもれだすのでは」と指摘しているんだ。

3号機では格納容器から水蒸気がもれる

 ふくいち君の3号機の建屋で湯気のたっているところがみつかって、あたりで線量をはかると最大で毎時2170ミリシーベルトもあったんだよ。これは、そこにもし2時間いると半分の確率で死んでしまう高線量なの。
 東電さんははじめは雨水が放射能をおびたものだと説明していたけど、そうじゃなくて格納容器から水蒸気がもれていることがわかったんだ。いまでも首都圏からたった200キロの場所に、そんな危険があるんだよね。
 事故はおわっていないのに忘られていくような気がして、なんだかこわいですだよ。

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もんじゅ君/高速増殖炉。エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られ、ツイッター(@monjukun)のフォロワーは10万人超。著書に『おしえて!もんじゅ君』(平凡社)など。公式サイト:http://monjukun.com

(民医連新聞 第1553号 2013年8月5日)

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