民医連新聞

2013年6月17日

全日本民医連結成60周年によせて 全日本民医連会長 藤末 衛

 六月七日、全日本民医連は結成六〇周年を迎えることができました。
 民医連の六〇年は、世界の平和と人権を希求する歴史と重なります。私たちの事業と運動に御協力いただいている全ての団体、グループ、個人のみなさん、あ らゆる場面でのパートナーである共同組織のみなさんに感謝いたします。そして、医療・介護活動を日々実践している全ての民医連職員のみなさんとともに喜び 合いたいと思います。
 民医連が地域のみなさんから信頼を得てきた理由は、第一に、疾病の社会的要因を重視した人権思想に依拠する医療観、第二に、政治活動をタブー視せず、憲 法と社会保障制度を守り発展させる運動姿勢、第三に、自ら地域で後継者養成をすすめ、無差別平等と住民参加の事業姿勢を六〇年間持ち続けたことです。
 一方で、地域の信頼を裏切るような痛恨の出来事も少なからず経験しました。もちろん、自らの失敗や事故について個人の問題にせず、組織として総括し管理運営の改善につなげる努力を続けてきました。
 TPP、原発、米軍基地再編、社会保障、改憲問題など、激動、激突の政治情勢です。今日の民医連は、「運動の架け橋」、「生存権とともに健康権の実現」 をキーワードにして新しい福祉国家を展望しようと呼びかけ、幅広い共同行動と地域から医、食、住、環境の再生をめざすとりくみを提起しています。
 六〇周年の日、これまでの歴史と教訓を見つめ、新たな飛翔の日としましょう。

(民医連新聞 第1550号 2013年6月17日)

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