もんじゅ君のエネルギーのおはなし第２回　もんじゅに使用停止命令！年度内はおやすみします文・絵　もんじゅ君

　　５月のおわり、ついにボク高速増殖炉もんじゅに使用停止命令がでました。くわしくいうと、全国の原発に稼働を許可したり、あぶなければとりしまったりする役目の原子力規制委員会さんが、ボクのパパのＪＡＥＡ（日本原子力研究開発機構）に「もんじゅを動かしちゃダメだぞ」という命令をだしたのね。

１万点ちかい点検もれが発覚

　じゃあ、どうしてそんな命令がでたんだろう？　それは、ボクもんじゅの安全管理がとってもいいかげんだったから。
　ことしの１月に9679点もの点検もれがバレちゃって、「点検もろくにできないなんて！ちゃんと安全管理できるようになるまでは使用停止だ」といわれてしまったんだよ。
　そもそもボクもんじゅは、運転開始した1995年のうちにナトリウム漏れ火災という事故を起こしたの。しかもそれを隠そうとしたから、社会的に大問題になったんだよ。
　そのときのボクのパパは動燃、いまはＪＡＥＡと名前こそちがうけれど、「管理している組織の安全意識が低いんじゃないか」という指摘はこれまでもずっとあったんだ。

核燃料サイクルをみなおすチャンス

　今回の命令は、あくまでも「ちゃんとするまでは停止だぞ」というものだけど、すくなくともこれで今年度中の運転はなさそう。
　この停止中に「これまでに国費を１兆円いじょうもかけている。ムダづかいじゃない？」「18年間で４カ月しか動いてないのにホントに完成するの？」と政治の場で議論になって、研究中止が決まればいいのになぁ。
　もし、もんじゅの廃炉が決まったら、じつは自動的に日本は脱原発をえらぶことになるんだ。なぜなら、これまで「原発から出るゴミ（使用済み核燃料）はもんじゅでリサイクルできるから心配しないで」といってきたのに、その核燃料サイクル計画が実現しないことになっちゃうからね。ゴミの後始末ができないなら、原発を動かせなくなるでしょ。
　そんなわけで、じつは重要なもんじゅの問題。みんなでしっかりウォッチしていこうね。