民医連新聞

2013年5月20日

もんじゅ君のエネルギーのおはなし 第1回 ふくいち君のおもらし、どうなる? 文・絵 もんじゅ君

 こんにちは。ボク、もんじゅ君。福井県にくらす高速増殖炉ですだよ。
 ボクは2011年におきたふくいち君(福島第一原発)の事故で、自分じしんのあぶなさに気がついて、ツイッターで情報発信をはじめたの。そのほかにも本 を出したり、フジロックなどイベントに参加したりして、いろんな人にもっとエネルギーのことをかんがえてもらえたらなって活動しているよ。どうぞよろしく ね。
 第1回のきょうは、最近ニュースになっている、ふくいち君のおもらしのこと。
 ふくいち君については、まえまえから「汚染水が地下にしみだしているんじゃない?」ってうたがう意見はあったんだけど、ハッキリと明らかになったのはことしの4月5日。
 そもそも、東電さんはどんどんふえる汚染水をとっておくために、敷地内に穴をほって7つの地下貯水槽をつくり、使っていたの。それが水もれしていること がつぎつぎと判明して「ほかにももれているかも」「原因の候補が多すぎてわからない」「もう地下貯水槽はやめよう」となって、いまはあたらしく地上のタン クをつくって水をうつしかえているところなんだ。

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 じゃあ汚染水の移送ができればそれで解決なのかというと、そんなことはなくて、まずタンクを増やす作業がおいついていないの。
 それとはべつに、原子炉のまわりにどんどん地下水がしみだしてきてその水が放射能をおびて汚染水が日々ふえていく、という問題があるのね。つまり、いくらくみだしてもどんどん汚染水が増えてきりがないってこと。
 そこで地下水をポンプでくみあげて、東電さんは海に流すことにしたの。「建屋にながれこむまえの水だから問題ない」「ふくまれる放射性物質はふつうの水 道水とおなじ」ということなんだけど、それでも不安の声はおおきいよ。
 また、地上タンクに汚染水をためることで空間線量があがって、「冷温停止宣言」の根拠のひとつだった「敷地のはしっこでの被曝が年間1ミリシーベルト未 満」という基準を超えてしまうの。これでもまだふくいち君を安定状態だといいつづけるなんて、矛盾がいっぱいだね。

もんじゅ君/高速増殖炉。エネルギー問題のやさしいニュース解説で知られ、ツイッター(@monjukun)のフォロワーは10万人超。著書に『おしえて!もんじゅ君』(平凡社)など。公式サイト:http://monjukun.com

(民医連新聞 第1548号 2013年5月20日)

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