民医連新聞

2013年4月15日

「不正受給」報道は事実伝えず 福祉ケースワーカーの話

 【東京発】「生活保護の不正受給が過去最高」という報道の数日後、生活保護のケースワーカーと、利用者を訪問する機会がありました。「お久しぶりです」とあいさつをしていたことが気になり、話をしました。
 いま、ワーカー一人あたりが担当する受給世帯は九〇世帯を超え(社会福祉法の基準は八〇世帯)、受給者宅を訪問できるのは、年一~二回程度が大半になっているそう。
 不正受給報道については「本当はごく一部。多くは収入申告など必要な手続きを、行政が受給者に十分知らせていない事例。それを不正とは呼べません。ワー カーを増やせば、不正受給とされている多くのケースが無くなる」と語りました。
 生活保護ケースワーカーが増員されないことが「不正受給」を生み出し、その報道が生活保護制度の改悪を後押しする悪循環。一方で業務を就労指導に集中す るために、「稼働年齢ではないとされる六五歳以上の受給者を担当するケースワーカーは、『民間委託』される」との動きもあります。現場の事実を伝え、意見 をするのは私たちの役割だと感じました。
(大場栄作、ケアマネジャー)

(民医連新聞 第1546号 2013年4月15日)

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