民医連新聞

2012年11月19日

若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年ユニオン専従日記(16) ~日本が生んだ過労死を無くす~ 文 山田真吾

 連載(10)(8月20日号)で心臓疾患のある息子のことを書きましたが、あれから変わったことがあります。8月時点では在宅酸素療法を受けていて、毎 日カニューラを装着していましたがそれが取れました。今までは出かけるときは酸素ボンベの残量を気にし、遠出するときは予備の酸素ボンベを車に積んで移 動。寝るときは、眠る息子を起こさないようにカニューラをつける。寝返りでゴロゴロと転がる中、カニューラが首に巻きつかないか不安でしたが、術後の経過 が良好なので、必要なくなりました。
 元気に成長する息子の姿を見るのは何よりも嬉しいことです。が、この子が心臓疾患を抱えていることは外見からは分かりません。カニューラを付けていると きは、「この子がなにか障害を抱えていることが、カニューラを通じて周りに見えている」という実感がありましたが、これからはそれがありません。見えない 障害を抱えていることを、ことさらアピールするつもりはありませんが、息子はいつも元気で笑顔を見せているだけではありません。
 そんなモヤモヤを抱えているときに、「わたしのフクシ。」(http://watashinofukushi.com/) というサイトで「見えない障害バッジ」を知りました。「難病、内部疾患、発達障害など、社会で認知されず、福祉政策でも『制度の谷間』に落ち込み、サポー トが受けにくい『目に見えない』障がい、困難、痛みをもつ人が数多くいます。電車で席を譲られることもなく、『怠けている』『わがまま』『やる気がない』 と思われることもめずらしくありません。バッジをつけて、見えない障害を知ってもらおうよ」とあります。
 「これだ!」と思い、さっそく購入。バッジには当事者用と啓発用があり、当事者用は息子の持ち物に、啓発用は私のバックパックにつけています。バッジを つけたからといってすぐに解決されるものではありませんが、このバッジを通じて、困難なこと、抱えている不安なこと、制度のことを考えていきたいと思って います。

(民医連新聞 第1536号 2012年11月19日)

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