民医連新聞

2012年11月5日

全日本民医連第5回被ばく医療セミナー 原発事故被災者の健診、心のケアを

 全日本民医連第五回被ばく医療セミナーが一〇月一三~一四日に東京で行われ、三六県連から医師四一人を含む過去最多の一四八人が参加しました。
 福島原発事故の放射能汚染により、住民の健康被害が懸念されています。福島をはじめ全国に避難した被災者の相談会や健診を旺盛にすすめようと、内部被ば くや低線量被ばくの基礎知識と被災者の心のケア、原爆症認定集団訴訟の教訓について学びました。
 全日本民医連原発事故被ばく対策本部長の小西恭司副会長が、健診の基本姿勢と健診方法について解説。福島から全国各地に避難している人に対しては、福島 県が行っている「県民健康管理調査」を受けることをすすめるとともに、被災者のいのちと健康を守るために民医連として可能なかぎり診療や健診にとりくむこ とを呼びかけました。
 健診方法として問診、身体理学所見の把握、検査の各内容について説明。甲状腺エコーを含む検査項目は、県民健康管理調査を参考に、健診費用の問題など実情に合わせてとりくむように提案しました。
 また、健診や脱原発の運動をすすめるため、県連ごとに「被ばく対策委員会」の立ち上げが求められています。事前のアンケートで同委員会の設置は二〇県連 にとどまり、未設置の県連のうち設置を予定していない県連が三分の一にのぼりました。設置上の課題として「中心になる医師がいない」との回答が半数近くあ り、小西さんは「被ばく医療を担う医師の養成が急務」と指摘しました。
 セミナーでは、ベラルーシでチェルノブイリ原発事故被災者の医療支援活動を続けてきた長野県松本市の菅谷昭市長が講演したほか、民医連の四人の医師が講師を務めました。

2県連のとりくみ報告

 指定報告は二題。北海道民医連の澤本彰さん(事務)が、道内に避難してきた原発事故被災者 の健康相談活動を報告。同県連は避難者の会や支援団体と協力し、今年三月から札幌市内で相談会を九回開催、九五世帯が参加しました。同様の相談会が函館、 旭川、釧路でも行われています。
 かどの三条こども診療所(京都)看護師長の西本道子さんが、避難者の子ども健診について報告。今年三、八月に行い、一〇五人が参加。甲状腺エコー検査の結果、四四人にのう胞が確認されました。

(民医連新聞 第1535号 2012年11月5日)

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